と、「一撃殺虫!!ホイホイさん」は、電撃誌上でのコミックの他、プレイステーションでのゲーム。限定版コミック付属のDVDアニメなど……幅広く展開されたマンガです。
私は、最初ゲームではまって、コミックを手に入れようとしたけれど手に入らず……友人に貸してもらったという経緯のある……ある意味思い入れの深いマンガです。
さて、このコミック……何を紹介するにしても、まずはその世界観を知る必要があります。
20XX年……
害虫は一切の駆除剤を克服していた。
それに対抗すべく日本企業は、
超小型害虫駆除ロボット『ホイホイさん』を発売したのであった!!
(※作品から抜粋)
と、ゴキブリなどの害虫に殺虫剤が通用しない世界……そこで、開発されたのが、害虫を駆除して回るメイド型ロボ「ホイホイさん」というわけです。
そして、ホイホイさんは人形としての価値も高く、その付属パーツはマニアに大受け。
開発側の様々な意図と、買い手側の欲求が、単なる害虫駆除ロボットとしての価値以上に、ホイホイさんを押し上げています。
話の基本軸は2本ありまして…………。
1、ホイホイさんを購入し、様々な『ホイホイさんグッズ』に手を出しているサラリーマン、油壺。薬局の店員である出羽きみ子さん。この2人の恋愛(?)話。
2、ホイホイさんを開発した、マーズ製薬の古屋敷部長たちの話。
この2本の軸で話が進んでいきます。
私の友人は、
「ホイホイさんは、
熱い漢、古屋敷の『プロジェクトX』なんだ!」
と語っていました。
ホイホイさんの開発・販売に関わり、その製品の展開に誰よりも情熱を燃やす男……古屋敷。
まずは、彼の紹介をしていきましょう。
古屋敷部長と部下の矢崎さん。
古屋敷部長は、ホイホイさんを愛するあまりに、少々暴走気味。
ホイホイさんに飛行パーツを付けるとか……ビーム兵器を付けろとか……
無茶苦茶な提案をしては却下され、部下の矢崎さんの提案ばかりが通る日々に、非常に不満を抱いています。
……夢追い人、古屋敷部長の挑戦は以後も続きます。
その最たるものが……人形関係のフェスティバルである「ドルケ」(コミケの人形バージョン)における……古屋敷部長の行動でした。
ホイホイさんを開発したマーズ製薬としては、ホイホイさんがどれほどの人気を持っているのか、「ドルケ」に参加してその市場調査をするのは当然というものです。
矢崎さんも、その1人として「ドルケ」を見て回っています。
もちろん……古屋敷部長も来ているのですが……
あまりにも「ホイホイさん」を愛しているが故に…………
ホイホイさんのコスプレで会場散策…………
この直後、古屋敷部長の前にいる、きみ子さんが絶叫を上げました(笑)
もう1つの話の軸は、
サラリーマンの油壺と、薬局の店員出羽きみ子さんの恋愛(?)話です。
油壺は、ホイホイさんの魅力にとりつかれた、ヘビーユーザー。
ホイホイさんの関連商品を買いあさり続ける男です。
で、ホイホイさん関連商品は、何故か薬局に売っているので(害虫駆除ロボットだから?)、油壺はしょっちゅう薬局に出向くのですが……そこで働いているのが、ヒロインの出羽きみ子さんです。
ちなみに、ホイホイさん。銃器を初めとする様々な武装で、害虫を駆除してくれます。
身長約10センチの、半自立型人型ロボット。
虫たちが、全ての薬品に耐性を持ってしまった世界における、人類の救世主です。
後ろにいる男が、サラリーマンの油壺(あぶらつぼ)。
その油壺が想いを寄せる人が、この出羽きみ子さん。
……ホットパンツに前掛けという……
反則的に萌えな格好の女性です。
……しかも、巨乳…………
と、彼女は、虫が大の苦手で、人形が大好きという女性です。
しかし彼女は、ホイホイさんにトラウマを持っています。
その……ホイホイさんは害虫駆除ロボ……そのホイホイさんを、自宅に導入したきみ子さんは……
ゴキブリを駆除して、ゴキブリまみれになったホイホイさんを見て……
そりゃあ、トラウマにも…………
そんなきみ子さんに、油壺が想いを寄せているわけです。
当然、簡単に進展するものではない。
なぜなら……
油壺=ホイホイさんにご執心。
きみ子さん=ホイホイさんにトラウマ
ですからねえ…………
ともあれ……
想いを伝えたのは、偉いぞ! 油壺!!
きみ子さんも、まんざらではないようで……
この恋の行方はどこに!?
この作品は、ホイホイさんという駆除ロボットのいる世界です。
そのホイホイさんが、人形として様々な価値を付与されていますから……ドール関係が好きな人には、結構楽しめる作品だと思います。
また、このマンガは1冊完結。
そしてなによりも、作者の画力が高く、絵が非常にキレイで見ていて「〜♪」な気分です。
絵が可愛く、キレイ。話も1話1話は長くないので、テンポの良さもGoodです。
内容の整合性も高く、1冊全体を通した話の繋がり方も上手い作品です。
ホイホイさんを題名に持って来て、話の中核はホイホイさん?
と思わせつつ、周囲の人々の話を書き上げた(企業戦士古屋敷部長のプロジェクトX。油壺、きみ子さんの恋愛話)作品であって、よくありがちな、メイド……もしくはミニ・メイドロボの話と考えないほうが良いでしょう。
そして、油壺の描写を見ていると、コレクターの心理というものをよく描き上げています。
全体として、非常にクオリティーの高いコミックだと思います。
ぜひ、買って読まれることをお勧めします!!
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