こちらは「まんがタイム」誌上で掲載されている、水瀬るるう先生の作品で、初の単行本になります。
話の始まりは、新社会人になったサラリーマンが安アパートに引っ越してきた……というところから始まって、アパートの住人……とりわけ大家さんにまつわる4コマ漫画です。
里中チエ「ふつつかものですが、
よろしくお願いします」
前田さん『どどど、どういった状況ですかー!!?』
サラリーマンの前田さんが、就職して初めての一人暮らし。6畳風呂なしの安アパートに引っ越してきたら……突然部屋に現れたのは女の子。
その上、いきなり「ふつつかものですが」などと言われれば、どういう状況かと。前田さん、その日の出来事を時系列順に思い出してみます。
午前中に新居に到着、荷物を運び入れて…………
そうしたら、先ほどの女の子が突然部屋に上がり込んで来て……上述の挨拶でした。
美少女にあんな挨拶をされた前田さんは…………
1.もしかして親父の隠し子?
2.血の繋がっていない妹?
3.生前から約束されていた婚約者!?
などと考えめぐらせ、ウキウキ気分になったと思えば…………
チエちゃん「このアパートの大家としてまだ色々手探り状態で」
大家さんかよチクショー!(前田さんの心の叫び)
前田さん「ていうか俺、
今人生初で部屋に女の子上げてた!」
それもなんだか悲しい前田さんの人生!?
女子中学生が部屋に残した残り香りだけで幸せ状態に。
ちなみに、中学生で何故か大家さんという、チエちゃん。中学生……という年齢からか、店子さん達はまるで保護者のような気分。商店街の人達もチエちゃんを温かく見守っています。
白井麗子「はぁ……チエちゃん可愛い」
ここまで来ると……保護者的立場とか、気分ではなくて……
変質的な気もしますが、チエちゃん大好き店子さん代表者
物陰からチエちゃんを見て頬を染めているのは、店子さん(204号室)の麗子さん。前田さん(203号室)に「チエちゃんの事好きなんですね」と言われれば…………
麗子さん「そりゃもう!
一日中傍で見ていたい位よ!」
過保護な……母……もといお姉さん気分。チエちゃんへの溺愛ぶりから、前田さん曰く「隣にあんな美人さんが住んでるってのに、ロマンスらしいものは期待できそうにないぞ」。
中学生で大家さんのチエちゃん。しっかり者、真面目、料理・家事が大得意……と、完璧な感じに見えますが、でもやっぱりまだまだ中学生。
チエちゃん「あの……
前田さんに助けて欲しい事が……」
中学生に分からない事でも、大人なら分かるだろうとチエちゃんが助けを求めれば……
前田さん「チエちゃんの頼みとあらば何でも!」
なんというか、ちょろすぎるほどに、大人があっさり屈します。
出来る出来ない、どんなお願いか聞く前から安請け合い。
前田さん「え? 可愛いお弁当?
チエちゃんよりはるかに料理できないよ?」
前田さん轟沈。
料理の出来ない前田さんは、チエちゃんに料理の差し入れをしてもらっている程です。
いい大人が!? 中学生にご飯を作ってもらっている!?
通っている学校で、クラスメートの「可愛いお弁当」を見たチエちゃんが、それを学校に持っていきたいというものでした(※チエちゃんのお弁当は、昆布巻・きゃらぶき・奈良漬・イワシのみりん干し……など、まるで『お年寄り』のお弁当みたいな感じでして)。
で、前田さんが「麗子さんなら女性だし、俺より分かるんじゃ」と。
麗子さん、チエちゃんの頼みに笑顔で快諾。
麗子さん「何で頷いたの私!
私が作れるのはおにぎり位よぉぉ!」
快諾したは良いが……麗子さんも料理できません。
頷いてしまうのは……チエちゃんマジックというべきか…………
可愛いお弁当を学校に持っていけるのでしょうか?
基本的にチエちゃんと店子さん・それにチエちゃんの学校でのお話です。保護者っぽくふるまうけど、うまくいかない優しい店子さん達との日常が描かれています。ほんわかした漫画。ピュアなチエちゃんにあてられそうになる1冊です。オススメ♪
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