私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い! 私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!

作者:谷川ニコ

ガンガンコミックスONLINE

スクウェア・エニックス

現在2巻
(喪女というより、メンヘラの女子高生です)
黒木智子(1巻〜)

 タイトルが非常に長いですね。
 
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』というコミック……作者は谷川ニコ先生
 
スクウェア・エニックスのウェブ配信コミックガンガンONLINEで連載されています。
 2巻帯のキャッチコピーは「女子高生よ、喪女であれ」。
 海外の掲示板でブレイクして、日本に人気が逆輸入される形になったコミック……
『JKライフソロプレイ中!』という痛々しいコミックです。


 
 『喪女』(もじょ)の定義とは。
 1.男性と交際経験が皆無
 2.告白されたことがない人
 3.純潔であること


 ……これ、全部該当して『喪女』とするなら、日本の女子高生の過半数はそうだと思うのですが……


 
 「要するに男にモテないブスのことか……」

 この女の子の痛々しく、可哀相で(さらに何かにつけてタイミングも悪い)……どうしようもない日常を描いた独りボッチ女子高生ライフを描くコミックとなっています。


 

 「私は違う、私はモテる!」

 「中学3年間で男子に6回も声をかけられている」

 「消しゴムを落とすと、3回に1回は拾ってもらえる」

 …………6回も声をかけられている(´;ω;`)

 まずなんで、これで自分がモテると思ってしまった!?

 物語始って早々に、痛々しさが伝わって来ます。


 
 「そんな私がだ、来月から……

 JK(女子高生)だ!」

 「人生で一番モテる時期!」

 「何もしないでもフラグが立ち、性が乱れる

 3年間!!」

 この子……まず、女子高生になれば何もしなくてもモテまくると思い込んでいます。基本性格、思い込みが激しいです。

 …………そして、いざ女子高生ライフが始まってみると…………





 
 「おかしいな……女子高生だが、

 二ヶ月近く高校生と会話していないぞ?」

 …………高校生活始って2ヶ月……

 誰とも会話していないって(´;ω;`)

 ちなみに彼女が昼休みに読んでいる小説は……官能小説です……

 ちなみに、作品を読めば分かるのですが、クラス内でいじめられているわけでも、無視をされているわけでもないのです。なんというか…………
 
基本的に社交性が無く、思い込みが激しく、人見知りで、家族以外の人間とはほとんどまともに会話が出来ないため、周囲から話し相手として認識されていないだけなのです。
 加えて……………………



 
 「休みか……ネットやってゲームして……」

 「おーい、これからカラオケ行く奴誰だっけ?」

 クラスメートが遊び仲間を集めようとするのを横目に見れば……


 
 「うるせーな、チャラ夫とバカ女共が何回カラオケ行ってんだよ。

 クラスのバカ集めて歌唱会かよ。おめでてーな」

 舌打ちしたうえで、心の中で毒づく始末…………
 ひねくれ度合いが半端ではありません。



 
 「それであれだろ、その内王様ゲームとか初めて、

 密室をいいことにエロいことばっかして……

 おっと、俺の下のマイクがハウリングしちゃったぞ

 ってふざけんな!

 あぁーん、私のスピーカー、

 いい音なっちゃうーってか

 やかましいわ!!」

 こんな感じなので、クラスメイトとロクに会話も出来ません。
 
なお、彼氏持ち・友達持ちの女子の事を

 「ビッチ」

 とまで呼ぶ始末です。

 彼女、容姿は悪い方ではないのですが、ファッション性は皆無です。なおかつ、深夜までゲーム(18禁ゲームなど)にふけっているため、目の下に常にクマが出来ており、不健康そうな感じを醸し出しています。

 昼休みは「はまっているゲームの中に、自分を登場人物として出して、疑似セックスを妄想する」程、妄想の世界に入り浸っています。

 …………誰か、彼女を適切なメンタルクリニックに紹介してあげてください。

 彼女に必要なのは、適切な治療です(´;ω;`)

 しかし、やはり誰とも会話が出来ないのは辛くて仕方がありません。人間、孤独が最も辛いものです(重ねて言いますが、彼女はいじめられているわけでも、意図的に無視されているわけでもないです。作中、気遣ってくれる人とかもいるのですが、対人コミュニケーションが徹底的に欠落しているため、上手い方向に進まず、全てが空回りになってしまいます)。


 
 「お姉ちゃんね……気づいたら最近誰とも会話してないの……

 そのせいで家族以外と会話できなくなったの……

 だからリハビリの為、毎日一時間私と会話して」

 「リアルに嫌だ……」

 挙句、弟をリハビリの為に振りまわしてしまいます。
 弟は鬱陶しいと感じていますが、面倒見の良い性格で、姉に優しい一面を見せてあげる時もあります。
 他にも、彼女には中学時代の女友達もいて、やはり優しく接してくれるのですが……どうも上手くいかないのは……彼女を、誰かメンタルクリニックに連れて行ってあげて(´;ω;`)!!



 
 「ていうかどーなの? 早く決めてくださいよ? 自殺しますよ」

 「姉じゃなく兄だったら、顔面殴ってるのに……」

 「ちなみにいつまで?」

 「友達……いや、彼氏ができるまで」

 ……対人コミュニケーション能力が欠落しきっている状態で、彼氏が出来るまでリハビリに付き合うとしたら……ほぼ無期懲役に等しい気もしますが……当然、弟をリハビリに付き合わせても、こんな姉なので……


 
 「5月15日 晴れ もう43日間学校で喋っていない」

 ……………………(´;ω;`)

 さて、そうして……クラスメイトと一言も交わすことなく、一学期が終わりました。
 奇跡的にクラス担任には


 「あっ……あっ……さ……さ……さよなら〜。ふふ………へへへ……」

 と、不自然極まる挨拶を交わす事はできました。ちなみに、この不自然極まる挨拶をした事について、彼女自身は、

 「やったー!!

 普通にもの凄く自然に人と会話できたー。

 コンビニでアイス買って帰るー!!」

 と大興奮していました(´;ω;`)
 そんな一学期が終わって夏休みになると…………



  

 「眠れない……

 何もしてないのに、もう夏休み6日も終わってしまった」

 ネット、配信動画、ゲーム、全て家の中で生活が完結。
 そして、当然家族以外とは言葉を交わす機会もありません。
 恐ろしい程の焦燥感が彼女を襲っています。



 
 「こわいこわいこわい。これじゃすぐに夏が終わっちゃう!!

 なんでこんなすぐに明日がくるの!?」

 夜中ベッドでバタバタと動き回って、あせり続けます。
 ……焦燥感、いいようのない不安感…………


 頼むから、誰か気づいてあげて、

 彼女にはメンタル的な治療が必要なの(´;ω;`)


 

 「誰か…誰か…私を助けて…!!

 誰かー」

 「うるせーぞ」

 「ひゃあぁー!!?」

 読むたびに、痛々しくて読み終われず……2巻を読み終えるまでに3回も読まなければならなかった……それ程の壮絶な痛々しさでした。
 でも不思議……読んでいる内に、彼女が可愛く見えて来てしまう始末。


 何故かたまに共感出来てしまう時があり……ちょっと自分も彼女に近い人間なんじゃとか、あれ? こういう人いるんじゃない? とか……不思議な感じになるそんな『喪女コミック』です。
 ぜひ、書店で手にとってご一読あれ♪



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