車の上には……
6/13のことでした。
私は二日酔いでしたが、どうにか実習を終え、帰宅する世界史の実習生Sを送り届けました。
Sの実家は、学校からは車で三十分ほどです。
さて、公務はこの日で終了なので、私は上履き代わりに使っていたスニーカーを持って帰りました。
Sがジャンクフードを食べたいというので、モスバーガー(ドライブスルー)に寄っていきました。
私はジャンクフードが嫌いなので、感覚がわかりませんが、
モスバーガーのドライブスルーって結構待たされますよね。
で、Sと車の中で待機していたわけですが、
しばらくして後ろから来た黒塗りの高級車から、
非常にガタイのいい
漢
が降りてきました。
男ではありません。
漢です。
まあ、黒塗りの高級車が、
女連れでモスってのも、どーかとは思いますよ。
そのとき、私たちの脳裏を過ぎったのは、
「ヤベ!! 絶対イチャモン付けにきた」
でした。
理由はわかりませんが、
きっとそうです!!
なんか適当に口実つけて、
なんか巻き上げようって魂胆です。
下手に逆らえば、
内臓を持っていかれるか、
下手すれば、
マグロ漁船に乗り込まされるんでしょうか?
抵抗すれば、
きっとコンクリート詰めで、
東京湾
ではなく、
地元茨城の、
霞ヶ浦(平均水深4メートル)
だって、
黒塗りの高級車で、
ガタイのいい、
漢!!
そして女連れです。
これは、
すでに、
アッチの世界の人間ではないか……。
ズンズンと近づき、運転席側の窓を叩いてきました。
私は平静を装いながら、窓を開けました。
漢が口を開きます。
ゴクッ
お袋、
私、
どうやら帰れそうにないよ……
漢「あの〜」
光一「はい」
漢「靴が車の上に乗ってますよ」
光一「は?」
漢ナイスガイ「ですから、車の上に靴が」
メッチャ言葉遣い丁寧なんですけど……
え?
というか、
私はなんと言われました?
「車の上に靴が乗っている」
そう言ってませんでしたか?
ガチャと車を開けて見てみると……
<画像は後日に再現したものです>
え?
てーか、
私ここまでの5キロを……
女連れで、
50〜60キロで運転してましたが、
よく落ちなかった、
というより、
なんで靴が?
あ!?
光一「そういや、荷物入れるとき、靴を車の上に上げた気が……」
S「も〜う、光一クン。勘弁してよ〜。信じられな〜い」
スゴイ、
マジで恥ずかしかったんですが。
ちょっと、下にもう一度再現。
漢ナイスガイビジョン
漢「なあ、前の車の上にあるのって」
漢連れの女「靴みたいね」
漢「知らせてやったほうがいいよな」
漢連れの女「そうね」
ガチャ
ズンズン
ズンズン
コンコン
漢「あの〜」
光一「はい」
漢「靴が車の上に乗ってますよ」
……
メチャメチャ恥辱だぁ……
時速50〜60キロで走行する車
……
そして
疾走していた
靴
みなさんも、
きっと、
経験ありますよね?
ね?