茨城大学文芸部二〇〇〇年度生作品集  − 『Door』作品趣旨と世界観 −
本作品集の趣旨

 本作品集は、茨城大学文芸部二〇〇〇年度生が、二〇〇二年二月以来話し合いの場を持って、その中でテーマを設定して作り上げたものです。
 テーマとしては、「扉」を媒介に異世界との行き来ができる人々「トラベラー」が遭遇する出来事、人間関係などを主軸に物語を作ることとしています。
 物語はオムニバス形式で進みます。ただし、人物同士が別の物語で、ある拠点を媒介に繋がりがあるなど、同じ世界観を共有しています。オムニバスにしたのは、共有する世界を全員で楽しんで書きたかったためです。
書き手により、同じ世界観や境遇の人々がまったく違う視点で描かれ、文芸部内でも異質の作品集となっているのではないかと思います。また、同学年が一堂に会してひとつの作品集を作り上げるというのも、二〇〇〇年度生においてはこれが最初で最後と思います。その意味でも意義ある作品集だと思います。
 では、「トラベラー」のような特殊な人々が「日常の世界」に紛れ込んでいる、そんな舞台を各作者がどのように描いたのか、作品のつながりや、そこからくる重層性をお楽しみください。

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