小学校一年時の事件
傘パラシュート事件
パラシュートというものがこの世にはあります。
飛行機からダイブして、傘を開いて、ふわふわ〜って落ちるアレですよ。
今からはるか昔。
光一やその友人たちがそれはカワイイ小学校一年生だったころ。
少年の夢の翼……
みんなが空に憧れを抱いた時期でした。
光一の家の近くにあった墓場は、
その隣接地が畑だったんですが、
墓場と畑を隔てる柵がありまして、
そこを超えると、
最低2メートルから、最高6メートル程度の落差がありました。
光一たちは、
すべての想いを空に託し、
学校帰りによくダイブをしていました。
そんなある日、
私の友人の一人が黄色い傘を持ってきていました。
私たちの頭に浮かんだのは、
飛行機からダイブするパラシュート。
傘を開けば、
ふわりふわりと舞いながら、優雅に着地できるに違いない!!
そう考え、
傘を持っていた友人は、我々の声援に応え、
一番落差のある6メートル地点から、ダイブ。
そう、
彼はすべての想いを乗せて鳥になったんです。
私たちは一瞬何が起こったのかわかりませんでした。
傘はダイブ中に開かれ、
ふわりふわりと舞い降りるはずでした。
しかし!!
バンッ!!
瞬時に傘はめくりあがってしまい、
ドサッ……
友人はパラシュートにすらならなかった傘とともに転落。
幸い下が柔らかい土だったので、骨折で済みました。
こうして、傘=パラシュートにはならないことを知り、
少年たちの想いは苦い記憶に変わったのでした。
その畑は、
今は埋め立てられて墓場になっています。
墓場拡張されてるってことは=死人が……