|
鳴島
「お、これはマスター。
おはようございますぅ♪
今日も良い朝でうきうき気分ですかぁ?」 |
|
光一
「…………おはよう」 |
|
鳴島
「およぉ?
元気がありませんねえ、どうしましたぁ?」 |
|
光一
「いや、元気がないというよりはだね……」 |
|
鳴島
「んむぅ?
彼女さんにとうとうフラれましたかぁ?」 |
|
光一
「なわけあるか!!
だから元気じゃないわけじゃないっての!
大体、『とうとう』とは何だね!!」 |
|
鳴島
「いやー…………
挨拶からして元気が無さそうな」 |
|
光一
「元気がないんじゃなくて、警戒しているだけだ」 |
|
鳴島
「何に対して警戒しているんだか……
まさか……借金取り?」 |
|
光一
「私がしている唯一の借金は、
学生時代の奨学金だけです!
購入時は現金払いが私のモットー。
借金だけは何がなんでもしないぞ」 |
|
鳴島
「じゃあ、何に警戒しているんですかぁ?
他にあるかなー…………」 |
|
光一
「君は私が警戒していると言えば、
借金取りくらいしか思いつかないのかね?」 |
|
鳴島
「はい♪」 |
|
光一
「清々しい返事をされても腹立つな……」 |
|
鳴島
「で、何なんですかぁ?」 |
|
光一
「いや…………君が朝っぱらから……
『今日も良い朝でうきうき気分ですかぁ?』
なんて……何をたくらんでいるの?」 |
|
鳴島
「ヒドイ!!」 |
|
光一
「君が私に好意的な接し方をするって……
何か悪い事を隠しているに違いないだろ?」 |
|
鳴島
「人がせっかく気持ちの良い挨拶をしたのに……
マスターったらヒドイなぁ…………」 |
|
光一
「だって、君のイメージと言えばだよ?
『巨乳……なのに無理やり揉むと殴られる』
『美人?……なのに無理やりベッドに押し倒すと刺される』
こんな理不尽なイメージばかりでねえ……
とにかく人を殴る・刺すという暴力女?」 |
|
鳴島
「…………警察を呼ばれないだけでも
ありがたいと思ってください」 |
|
光一
「でも、君を暴力女だと思っているの私だけじゃないぞ。
先日もメールでこんなのをいただいた。
『鳴島さんからの暴言、暴行、刺傷に耐えている光一さんは
とても素晴らしいお方だと思います(^^;)』」 |
|
鳴島
「こんなセクハラ親父なのに!?」 |
|
光一
「見ている人はちゃんと見ているねえ♪」 |
|
鳴島
「いやいやいやいや!!
完ッッ全にふし穴じゃないですかぁ!!」 |
|
光一
「あ、続きを読むと…………
『自分ならば、そんな広い心は持っておりませんので、
さっさと解雇しているころだろうと思います・・・
あ、これは鳴島さんには言わないようお願いします』
ほら、君の事を暴力女と思っているぞ?
普通の人なら即解雇だよ、やはり♪
私を褒め称えてくれたkiniheさん、どうもです♪」 |
|
鳴島
「普通の人ならば妙齢の女性に
性的なセクハラをしないと思うのですけどねぇ……」 |
|
光一
「まあ、そんなわけで君を警戒していたのだよ。
…………今回は何をやらかしたの?」 |
|
鳴島
「何もしてないもん!!」 |
|
光一
「正直に言いなさい。
お皿を割った? コップを割った?
お尻を触ってきたお客様を…………
うっかり闇討ちにしちゃった?
とにかく何を隠しているのかね?」 |
|
鳴島
「してませんよぉ!!!!
何も隠していません!!」 |
|
光一
「本当かねえ?
スカートの中にでも隠しているんじゃないの?」 |
|
鳴島
「ふにゃっつ!?
セクハラ!!!!」 |
|
光一
「ぶべっ…………殴ったね!!」 |
|
鳴島
「スカートの中に手を突っ込んで何を言います」 |
|
光一
「何か隠しているか確かめるのには、
全身くまなく捜査が必要なのだよ。
とにかく裸になりたまえ!!」 |
|
鳴島
「そういうのが性的セクハラって言うんですぅ。
ともかく何も隠していないですしぃ、
マスターは疑いを持たずに少しは信じるべきだと思うです」 |
|
光一
「やむを得ないではないか。
私は基本的に疑い深い性格なのだから。
ぶっちゃけ自分以外をあんまり信用していないし」 |
|
鳴島
「うわぁ……さみしい…………」 |
|
光一
「先日など信じていたのに…………
味噌汁の中にナメクジがいたからね!!
癒しの味噌汁を飲んだら……いたからね!
おかげで今でも味噌汁飲むと吐き気が……」 |
|
鳴島
「それはご愁傷様ですねぇ…………」 |
|
光一
「あー…………仕事の疲れを癒してくれる味噌汁まで。
私は何を信用したらいいんだ!!」 |
|
鳴島
「たかだか味噌汁で…………」 |
|
光一
「たかが味噌汁、されど味噌汁!!
味噌汁に裏切られた私は本当にもう……もう!
街中ですれ違う女性の胸を見るたびに
『あれは豊胸パッド入り?』とか思ってしまうくらい
今色んな事を信用できなくなっているよ!」 |
|
鳴島
「街中ですれ違っている女性は
マスターと直接絡まないんだから
豊胸パッドでも何でも良いじゃないですかぁ……」 |
|
光一
「……………………」 |
|
鳴島
「なんですぅ?」 |
|
光一
「もしかして…………」 |
|
鳴島
「もしかして?」 |
|
光一
「君の胸も豊胸パッドなんじゃないの?」 |
|
鳴島
「ふえっ!?」 |
|
光一
「そうか……君の隠し事はこれかー!!
た、た、た、確かめてやる!!
ただちに裸にな……いや、裸にひんむいて……」 |
ZuBaaaaan!
|
|
鳴島
「マスターの場合、人を信用する以前の問題で
まず自分が信用される方法を考えましょうねぇ」 |