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鳴島
「なるほどなるほど……」 |
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光一
「綾香君、おはよう。
……読書中かね?」 |
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鳴島
「あ、マスター、おはようございますぅ♪
はい。ちょっとお勉強♪」 |
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光一
「ふーん……勉強とは感心感心。
で、何の勉強かね?」 |
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鳴島
「えっとですねぇ……
先日の反省というか復習?」 |
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光一
「ん?」 |
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鳴島
「この間、
私、車の免許を取りたいって……
で、かなり恥ずかしい思いをしたですよね?」 |
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光一
「ああ、あれか。
車の免許は、
1、無料、即日発行
2、県知事から手渡し
だと思っていたあれね?」 |
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鳴島
「知らなかったんだから、
仕方ないじゃないですかぁ!」 |
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光一
「知らないにもほどがあったが……」 |
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鳴島
「そ、それはともかくぅ……
今、ちゃんと免許について
勉強しているんですぅ!」 |
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光一
「あ、それで読書中なの?」 |
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鳴島
「はい♪
もう20冊くらい読みましたぁ♪」 |
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光一
「20冊!?
そんなに免許関係の本ってある?」 |
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鳴島
「ふふ〜ん♪
世の中、マスターが思っている以上に
本が出されているんですよぉ!」 |
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光一
「たかだか免許調べるのに?
……そんなに必要あるのかねえ?」 |
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鳴島
「何を言ってるんですかぁ……
『たかだか免許?』
免許はそんな甘くないんですぅ」 |
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光一
「そうかなあ……私も持ってるけど」 |
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鳴島
「それにぃ、
知識はあるにこしたことないですよ♪」 |
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光一
「そりゃそうだ。
で、免許はどんなものか……
どう取るのか……
分かったのかね?」 |
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鳴島
「もっちろん!!
先日までの私ではないですよぉ♪」 |
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光一
「じゃ、ちょっと聞かせてくれるかね?」 |
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鳴島
「はい♪
まずはですねぇ……」 |
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光一
「うん」 |
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鳴島
「免許を手に入れるにはぁ、
それぞれの免許に応じた
流派の師匠に付くんです」 |
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光一
「……流派……師……
曲解ではあるが……
まあ、そう言えないこともないか」 |
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鳴島
「それでぇ、
もしたくさん弟子がいたら……」 |
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光一
「弟子……とも言えるのかねえ?」 |
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鳴島
「免許もらえるのって、
一人だけですよねぇ?」 |
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光一
「一人だけ……って、
はあ!?」 |
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鳴島
「んぅ?」 |
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光一
「綾香君…………
何読んで免許調べたの?」 |
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鳴島
「じゃ〜ん、コレですよぉ!!」 |
ホアァ〜タァァ!!
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「一子相伝ってやつですね。
免許を取るのは大変ですねぇ」 |
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光一
「どうしてまた、
それを読もうと思ったのかね?」 |
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鳴島
「はあ、お恥ずかしながら……
マスターの日記に出てきていたので、
ちょっと読んでみたら面白くて……」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「そしたらなんと…………
北斗神拳は一子相伝とありまして……
これだ!! と思いましたぁ♪」 |
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光一
「どういうことかね?」 |
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鳴島
「つまりぃ…………
『免許』とは、何かをする許可が得られたこと。
このマンガによればぁ、
師匠に認められた弟子一人だけが、
その拳を使うことを許される……
つまり、これが免許のあり方なのだと……」 |
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光一
「そうか…………頑張れよ」 |
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鳴島
「はい!!
ありがとうございますぅ♪
早速、教習所に行ってきます♪」 |
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鳴島
「ふぇぇぇぇぇ〜!!!!」 |
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光一
「どうしたのかね?」 |
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鳴島
「今朝、
マスターに説明した通りの事を、
教習所の受付で言ったら、
無茶苦茶笑われましたぁ……」 |
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光一
「そりゃそうだ…………」 |
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鳴島
「なんで間違ってるって……
教えてくれなかったんですかぁ!!」 |
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光一
「むしろ、言わせてもらいたい。
アレを本気で信じていたのかね?」 |