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鳴島
「へぇ〜…………
マスターって猫好きなんですかぁ♪」 |
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光一
「その通りだ。
私は無類の猫好きでねえ……
後輩たちの見ている前で、
猫目掛けてまっしぐらに……
猫のためなら、
先輩としての威厳など
捨てても惜しくはない」 |
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鳴島
「お、すご〜い♪
プライドも捨てれるほどに、
猫好きなんですねぇ♪」 |
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光一
「ふ…………
猫を見たら近くに行って、
手招きしたり、
後輩が見ている前でも、
『にゃ〜ん♪』
と言ってしまうくらいだ!」 |
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鳴島
「私も猫好きですよ〜♪」 |
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光一
「君は、
性格が適当なところからして、
猫っぽいからな」 |
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鳴島
「ど〜いう意味ですかぁ?」 |
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光一
「そのままではないか。
マスターである私を、
尊敬するどころか、
いっつもバカにする……
そんなトコは猫みたいだぞ」 |
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鳴島
「それは、
マスターが悪いだけですぅ」 |
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光一
「なっ!?
私のドコが悪いのかね?
こんな好青年なのに?」 |
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鳴島
「ふう…………」 |
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光一
「なんだねなんだね、
そのため息!
失ッッ礼な娘だねえ、君は」 |
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鳴島
「好青年は、
自分で好青年なんて……
そんな主張しませんよぉ」 |
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光一
「むぅ!!」 |
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鳴島
「第一ですよぉ……
好青年ならば……」 |
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光一
「ならば……何かね?」 |
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鳴島
「マスターの日記にありましたがぁ、
ニュースのトピックスに、
『ウエートレス姿で下半身露出、逮捕』
ってあったのを見て、
『グッド・ニュース!!』らしきトピックが♪』
なんて言いますかぁ?」 |
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光一
「むぐ!?」 |
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鳴島
「おまけに…………
『女性がウェイトレス姿で、
下半身を丸出ししている……
それ以外考え付かない』
なんて……
ただのスケベじゃないですかぁ」 |
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光一
「お、男はそんなもんだろ!
女性の裸が好きで何が悪い!」 |
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鳴島
「そんなトコ開き直られてもぉ……」 |
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光一
「うるさい!
男がスケベじゃなかったら、
子供が生まれなくなるだろ!
スケベなのはだなあ、
いわゆる生物としての……」 |
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鳴島
「自分のスケベさ加減を、
そんな理屈でごまかさない。
そんなのは、
好青年のすることじゃないですよぉ」 |
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光一
「むぅ…………」 |
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鳴島
「おまけに…………
勝手に犯人を女性だと期待して、
で、犯人が男性だったら、
一人で勝手に怒り出して……
はぁ、やれやれですねぇ」 |
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光一
「お、怒って当然だろう!
『ウエートレス姿で下半身露出、逮捕』
これが紛らわしいからいけない!
これで犯人が男性なんて、
考えるほうが不自然だろうが!」 |
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鳴島
「またそういうことを……」 |
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光一
「いや…………
男からすれば、
女性がウェイトレスの格好で、
下半身露出……と思うハズ!!
私的には、
行き場の無い怒りを
君が下半身を露出したケースの、
妄想に変えて愉しんだ!」 |
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鳴島
「そんな変態犯人と行為を、
私に置き換えないでください!」 |
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光一
「ふん…………
犯人が男なのに、
ウェイトレスの格好で
下半身露出なんてしたから悪い。
私は正常なイメージに変えただけだ」 |
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鳴島
「そうやって、
許可もなくですよ、
女の子の裸を想像している人は……
好青年なんて言わないんですぅ!」 |
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光一
「違うな綾香君」 |
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鳴島
「どう違うんですかぁ?」 |
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光一
「私は君の裸ではなく、
ウェイトレスの服は着たまま……
ただ、下着を装着しておらず、
その状態で下半身が露出する様を…」 |
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鳴島
「同じですぅ!!
変態!!」 |
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光一
「同じではない!
人をそうやって
変態扱いしないでくれたまえ!」 |
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鳴島
「また良く分からないことを……
マスターは変態さんですぅ!
少なくとも、
好青年じゃないですよぉ」 |
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光一
「まだ言うかね!
聞き分けの悪い娘だな、君は」 |
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鳴島
「そのセリフ……
マスターにそっくり返しますぅ」 |
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光一
「ぐむむむむむ!」 |
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鳴島
「じゃあ、こうしましょうか」 |
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光一
「なんだね?」 |
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鳴島
「マスターが、
私の前で力説したお言葉を、
警察の前で言ってみて、
それで何も起きなければ、
マスターは好青年♪
って認めますぅ♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「さらに、
私が間違っていましたぁ……
これからはマスターの言うこと、
なんでも聞きますぅー。
と、約束しますよぉ♪
……何も起こらなければ♪」 |
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光一
「へぇ、
そんな簡単なことで良いの?」 |
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鳴島
「って、アレ!?」 |
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光一
「簡単ではないか♪
私の言うことは正しい!
警察の前で自説を言うに、
何のためらいがあろうか?」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「しかし!
私は今忙しいので、
そんな事をしているヒマはない。
君も仕事に戻りたまえ!」 |
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鳴島
「あ、逃げた!」 |