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鳴島
「まあ、
楽しそうなクリスマスで何よりでしたね」 |
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光一
「うむ。
彼女と2人きりのクリスマス……
楽しかったよ。
しかし…………
ジャスコにあった、
ヴィレッジ・バンガード……
あの店はすごかった」 |
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鳴島
「本屋なのに、
『トンデモグッズ』ばっかり
売っている店ですね」 |
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光一
「そうだ。
確かに、本も揃ってた。
しかし、非常に微妙な品揃えだった」 |
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鳴島
「それにしても、
商品説明のポップが、
すごく光ってましたねえ」 |
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光一
「確かに……
あれも含めて、
あの店はスゴイ店だった。
あ、そういえばこんなのも……」 |
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鳴島
「んう?
どんなのですかぁ?」 |
愛と勇気だけが
友達なんす。
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光一
「アンパンマンのお風呂セット……
しかし…………」 |
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鳴島
「ちゃんとツッコミ入ってますねぇ……」 |
それって友達
いないんじゃ……
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鳴島
「アンパンマンには、
友達がいない…………
という、よくあるツッコミですねぇ」 |
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光一
「こんなの、
子供しか購買層いないハズなのに、
子供のヒーローに禁断のツッコミ……」 |
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鳴島
「子供が知ってはならない事実を
このポップで知ってしまいますねぇ」 |
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光一
「まあともあれ、
『VILLAGE VANGUARD』……
ここの店員のセンスは素晴らしいね」 |
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鳴島
「品物と、
それを打ち出す宣伝文句……
話題になる店には理由がありますねえ」 |
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光一
「その通りだ。
私は彼女に、
すごく強くこの店を勧められた。
で、一緒に爆笑していたのだが……
ああ、それとさっきのポップ……」 |
なんす?
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光一
「『なんす』ってドコの言葉だ?
『で』が抜けている?」 |
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鳴島
「言葉のセンスもまた微妙な……」 |
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光一
「他にもあるぞ」 |
『卓上プラネタリウム』
モテたい?
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鳴島
「うわ…………」 |
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光一
「クリスマスに、
1人でこれを見るのは
さぞかし切ないだろうね」 |
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鳴島
「あ、それだけじゃないですぅ!」 |
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光一
「気づいたかね?」 |
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鳴島
「ええ…………」 |
なら部屋にも車にも
コレおいときな。
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鳴島
「ポップの文句が……
命令形に!?」 |
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光一
「クリスマス……
独り身にはツライ命令だな。
だって…………」 |
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鳴島
「モテない人って……
そもそも部屋に女性上げたり、
車に乗せる機会ないんじゃ……」 |
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光一
「前提から不可能事を並べる。
なんともかんとも…………」 |
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鳴島
「まあ、そもそも…………
家庭用プラネタリウム自体が、
かなり微妙なんですけどねぇ……」 |
永久コロコロクリーナー
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光一
「このコロコロなんてさ……」 |
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鳴島
「あらぁ…………」 |
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光一
「永久って書いてあるのに、
『永久かどうかは知りません』
って、きっちりツッコミが……」 |
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鳴島
「なんとも不思議なお店ですねぇ」 |
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光一
「茨城県水戸市内原の
ジャスコに行く機会があったら、
ぜひとも行くと良い。
彼女がウケること間違いない」 |
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鳴島
「しっかし、
マスターの彼女さん、
良い人ですねぇ。
わざわざ……
『サイトのネタにどう?』
って教えてくれるんですから」 |
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光一
「まったく、頭が上がらないねえ」 |
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鳴島
「そういえばマスター」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「これ見て思ったんですけどぉ、
マスターって
どのくらい友達いるんですかぁ?」 |
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光一
「さあ?
リアル友は200人くらい?」 |
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鳴島
「200人!?
お、多いですねぇ……」 |
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光一
「え?
これって多いか?」 |
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鳴島
「世の中、
友達が出来ずに悩む人も多いのに」 |
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光一
「いや……知らない内に
いつの間にか増えてた。
そういえば、綾香君は?
あんまり友達の話を聞かな……」 |
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鳴島
「……………………」 |
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鳴島
「ぅ……………………」 |
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鳴島
「うぅぅぅぅ…………」 |
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光一
「悪かったよ…………」 |
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鳴島
「グスッ…………」 |
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光一
「綾香君は…………」 |
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光一
「愛と勇気だけが
友達なんだよね?」 |
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鳴島
「……………………」 |
ゴスゥ!!
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光一
「ぐぼぉ!?
久々の右アッパー!?
…………ゴフ」 |
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鳴島
「うえ〜ん!!
マスターのドアホォ!!
無神経のバカアホー!!」 |