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鳴島
「あららぁぁ…………
それは何と言いますかぁ……
ご愁傷様です」 |
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光一
「まったく不運この上なかったね」 |
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鳴島
「まあ、でもですねぇ、
ちゃんと調べていなかった、
マスターも悪いですよぉ♪」 |
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光一
「確かにそうだが…………
しかし…………
年末に下妻市に食べに行ったときも、
行きたい店が全て入れなくて……」 |
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鳴島
「だったらしいですねぇ……」 |
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光一
「下妻市まで、車で40分……
それからさらに1時間も市内を回った」 |
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鳴島
「あちゃ〜…………
さっさと諦めて、
適当な店に入ればよかったのに」 |
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光一
「最後はそうしたさ。
そしたら、その店がマズくて……」 |
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鳴島
「はは…………」 |
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光一
「しかもね、
その店の中に
『飲食店業界用語集』
があってさ……」 |
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鳴島
「へぇ?」 |
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光一
「そこに…………
今日の日記で書いた、
『OOSAKI病』が載っていた」 |
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鳴島
「行く先々のお店がぁ、
タイミング悪く入れない病気ですね。
不幸に次ぐ、まさに不幸……
というよりも喜劇ですねぇ」 |
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光一
「行きたかった店全て全滅。
その上、入った店がマズくて、
そこで『OOSAKI病』を知った……
これ以上皮肉な出来事もない気が」 |
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鳴島
「まったくもって、
マンガみたいなことを
素でできますねぇ、マスターは♪」 |
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光一
「うるさいなあ。
と、その話を好きな人にしながら、
昼飯食べにドライブ行けば……」 |
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鳴島
「1軒目:休み。
2軒目:超満席で入れない。
3軒目:休み…………
まさに、
2度あることは3度ある……ですねぇ」 |
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光一
「そこまでのドライブ所要時間……
1時間少々…………
ただえさえ、2人とも朝飯抜きで
お腹がかなり減っている中だったし、
おかげで…………」 |
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鳴島
「マスターの彼女さんはぁ、
『…………』
と車内で黙りこくってしまったと」 |
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光一
「いやぁ……あれはまいった」 |
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鳴島
「ま…………
話題と同じような出来事が、
その場で起きて……
それはそれで面白かったのでは?」 |
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光一
「当事者としては、
何とも笑えないのだが……」 |
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鳴島
「あれぇ?」 |
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光一
「どうした?」 |
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鳴島
「デジャブを感じるんですけどぉ……」 |
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光一
「ん?」 |
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鳴島
「あぁ〜…………
アレですねぇ……」 |
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光一
「アレ?」 |
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鳴島
「この『OOSAKI病』って、
いわゆる、
『タイミングの悪い病気』ですよねぇ?」 |
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光一
「まぁ…………そうだな」 |
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鳴島
「先日のマスターとまったく同じ♪」 |
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光一
「うっ…………」 |
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鳴島
「雪で埋まった自分の車を、
スコップで発掘していたらぁ、
偶然通りがかった人に、
車泥棒……と勘違いされましたねぇ」 |
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光一
「その話題を蒸し返さない!」 |
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鳴島
「あれも、
タイミングが悪かった話ですしぃ……
マスターって根本的に
『間の悪い人』なのではぁ?」 |
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光一
「う、うるさいうるさい!
黙りたまえ!!」 |
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鳴島
「あ、図星で怒ってますねぇ♪」 |
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光一
「く…………
なんともうるさいねえ、君は!」 |