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光一
「は〜あ…………」 |
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鳴島
「マスター。
おはようございますぅ!」 |
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光一
「ん? 綾香君か。
はい。おはよう」 |
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鳴島
「およ?」 |
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光一
「ふう…………」 |
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鳴島
「マスター?
どうなさいましたぁ?」 |
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光一
「ん? 何がだね?」 |
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鳴島
「いや、さっきからため息ばかりで」 |
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光一
「ああ…………
なんというかね……
あー、思い出しただけでも憂鬱」 |
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鳴島
「んぅ?」 |
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光一
「何であんなことになったのか……」 |
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鳴島
「もしかして!?」 |
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光一
「ふう…………」 |
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鳴島
「マスター…………
とうとう彼女に振られました!?」 |
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光一
「って、なわけあるか!
何でそうなる!?」 |
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鳴島
「あ、違うんですかぁ。
まぁ、それは良かったですけど」 |
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光一
「彼女とは完璧ラブラブーだって!
なんで、そうなるかね
大体『とうとう』って……」 |
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鳴島
「いやぁ…………
いつも彼女さんをからかい過ぎだから、
とうとう来るものが来たかと……」 |
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光一
「それは無いので安心していただきたい」 |
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鳴島
「そうしたら、
何か憂鬱になるような出来事って?」 |
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光一
「それがだね…………
聞いてくれたまえ綾香君」 |
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鳴島
「はぁ…………?」 |
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光一
「まあ、
まずはこちらの画像を見てくれたまえ」 |
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鳴島
「はい。どれどれ?」 |
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鳴島
「おおっ!?
これはぁ…………」 |
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光一
「私が以前撮影した
ネコちゃん達の画像だ…………」 |
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光一
「にゃんこは良い…………
人の心を満たしてくれる……」 |
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鳴島
「確かにネコ、カワイイですよねぇ」 |
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光一
「だろ?
そうだろ?」 |
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鳴島
「私もネコ大好きですよぉ!」 |
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光一
「そう…………
今の憂鬱な気分は、
まさにそれと不可分なのだ」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「2月22日にだね…………
ネコに会えなかったんだよ」 |
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鳴島
「はぁ?」 |
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光一
「何だね何だね!
『はぁ?』……とは!!」 |
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鳴島
「なんて言うかぁ…………
ネコに会える日会えない日って
あるじゃないですかぁ?」 |
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光一
「その通りだね。
残念だが毎日会えるわけではない」 |
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鳴島
「なのに、
何で2月22日にこだわるんですかぁ?
別に、他にも会えない日は……」 |
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光一
「バッカモーン!!!!」 |
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鳴島
「にゃうん!!」 |
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光一
「君はそれでも本当にネコ好きなのか?」 |
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鳴島
「す、好きですよぉ…………」 |
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光一
「2月22日は
『ニャンニャンニャン』で
『ネコの日』なんだぞ!!
ネコ好きがこの日にネコに会えない……
これほど苦しいことはないというに」 |
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鳴島
「そんな日、
初めて聞きましたけどぉ」 |
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光一
「大バカ者!!」 |
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鳴島
「きゃうん!?」 |
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光一
「これはちゃんとした記念日として、
正式に存在している祭日だぞ!
私が勝手に主張しているわけではない!
この日にネコに会えなかった……
ああ……ネコちゃん……
私はネコ好きとして失格だよ……」 |
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鳴島
「あのぉ……マスター?」 |
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光一
「む?
何かね?」 |
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鳴島
「大の大人が…………
その…………
『ネコちゃん』って
正直キモイですぅ…………」 |
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光一
「うるさい、
この大うつけ者!!
君はネコ好き失格だ!!」 |
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鳴島
「わぅん!?」 |