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鳴島
「ふむふむ…………」 |
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鳴島
「はぁ…………」 |
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光一
「綾香君。おはよう」 |
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鳴島
「あ、マスター!
おはようございますぅ♪」 |
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光一
「なんだかさっきまで
ため息ついたりしていて……
どうしたのかね?」 |
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鳴島
「あー…………
ちょっとですねぇ……」 |
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光一
「ん、なに?
生理でもつらいの?」 |
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鳴島
「んにゃっ!?」 |
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光一
「あー、図星かね」 |
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鳴島
「違いますよぉ!!
というか…………
そういうのはセクハラですからねぇ」 |
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光一
「なんだねなんだね。
せっかく心配して声をかけたのに。
セクハラとは人聞きの悪い……」 |
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鳴島
「そういう屁理屈といい……
マスターのセクハラ攻撃が
私に向けられたのは久しぶりですねぇ」 |
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光一
「お?
久方ぶりで嬉しいかね?」 |
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鳴島
「そんな女の子いませんよぉ!
久しぶりにマスターを
ナイフでざっくり刺そうかとは
思いましたけどねぇ」 |
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光一
「ちょ…………
よくない。暴力良くない。
人間は話し合いで解決する生き物だ」 |
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鳴島
「だったら、
最初に人を怒らすようなことを
い・わ・な・い・よ・う・に!」 |
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光一
「やれやれめんどうくさいなあ……」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「申し訳ございませんでした」 |
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鳴島
「たく…………
これだから男ってのは……」 |
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光一
「私1人の行動を、
男全体に当てはめるのは、
ちょっと極論ではないかね?」 |
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鳴島
「あー、そうですねぇ!
マスターは特殊ケースですからぁ、
一般的な男性はこんな
オバカな対応しませんもんねぇ」 |
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光一
「……………………
まあ、これ以上の議論はいいや。
で、何をため息ついていたのかね?」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「え?」 |
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鳴島
「あーあー!!
思い出しましたぁ♪
マスターのセクハラのせいで、
何の話題だったか忘れていましたよぉ」 |
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光一
「……………………
これはまたヒドク根にもたれたようで……」 |
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鳴島
「いや……さっき新聞を見てましてぇ」 |
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光一
「綾香君…………?」 |
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鳴島
「はい?」 |
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光一
「君、新聞読むんだ」 |
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鳴島
「さすがにそれぐらいはぁ……」 |
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光一
「あ、聞き間違えた。
君、新聞読めるんだ?」 |
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鳴島
「どーいう意味ですかぁ?
返答次第では許しませんよぉ!」 |
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光一
「ああ、いやいや。
君の場合は、
その大きな胸に全ての栄養が吸い込まれ
結果、脳みそは成長しなかった……
つまり、理解力のない巨乳チャンだと……」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「すいませんでした。
ナイフをおしまいになってください……」 |
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鳴島
「やれやれ…………
私はマスターの彼女さんと違って、
最近マスターのセクハラを受けてない分、
セクハラへの免疫が減ってますからね。
あんまり度が過ぎると
知らないうちに血の海が
そこら中にできるかもですよぉ?」 |
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光一
「そうですね…………」 |
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鳴島
「いやぁ…………
私の地元で談合事件が発覚って……
事件の関係者が私の同級生の
親なんですよねぇ……」 |
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光一
「あー、不正事件ねえ……
私も自分が小中学校お世話になった
地元の給食センターで押領がね……」 |
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鳴島
「案外身近に事件性のあるものって
転がっていたんですねぇ…………」 |
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光一
「まあ、私の地元の押領事件はね、
センター所長が『食材押領』?
しかも1923円相当の?
みたいな……それで記事になってた」 |
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鳴島
「うわ!?
ショボい事件…………」 |
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光一
「というか、
こんな事件ならば内部で片付けても
私は問題ない気がするけどねぇ……」 |
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鳴島
「そうですねぇ…………
食材分1923円返還で充分な気が……」 |
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光一
「これで事件性があるからニュースにする
って段階で、
この国はまだまだ平和だと言えるよ」 |
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鳴島
「ですねぇ…………」 |