鳴島
「……………………」光一
「おはよう、綾香君」鳴島
「………………………」光一
「綾香君？」鳴島
「…………ほぇ」光一
「は？」鳴島
「春ですねぇ。
ぽかぽかですねぇ」光一
「は？
まあ、そうだねえ」鳴島
「暖かくて、
脳みそがこねこねしてきますねぇ……」光一
「綾香君、言いにくいんだけど」鳴島
「はぃ〜？」光一
「一回医者に行って、
脳みそ診てもらったら？
休みあげるから」鳴島
「にゃっ！？
どういう意味ですかぁ！？」光一
「いつも君の事をバカバカ言ってたせいか？
まさか本当に脳みそがおかしくなるとは……」鳴島
「し、失礼な！！
私はおかしくないですよぉ！」光一
「だって…………
急にボケちゃった感じの受け答えするしねえ」鳴島
「春の陽気に良い気分になっていただけですぅ」光一
「いや、一応脳みそ診てもらったら？」鳴島
「大丈夫ですぅ！！
まったくぅ……人がせっかく良い気分でいたのに、
マスターは本当にＫＹですねぇ！」光一
「いや…………
あのピントのずれた君の応答に対しては、
どう考えても私の対応が正しいだろ……」鳴島
「春は脳みそこねこねされる季節なので、
私の応答は極めて普通ですぅ」光一
「その応答自体が、
充分に電波がかって聞こえるんだが…
なんだね、脳みそこねこねって……」
グッグー♪
光一
「思わず…………
『の〜みそこねこねコンパイル』
を思い出してしまうではないか……
あー、ぷよマスターとか行った当時懐かしい！」鳴島
「なんですかぁ、そのキャッチコピー？」光一
「なに！？
ぷよぷよ知らないの！？
コンパイル知らないの！？
ってことは、ぷよまんも知らないの！？」鳴島
「全然」光一
「うわぁ…………
ジェネレーションギャップだ！
世代間格差だアル！！
脳みそこねこねって言ったら、
絶対に『コンパイル』だろ！！
それを念頭に置いて言ってたんじゃないの！？」鳴島
「いえ、全然」光一
「やはりそうならば、
脳みそこねこねされているなんて……
綾香君、脳診てもらって来なさい」鳴島
「別に私おかしくないもん！」光一
「いやいや。
春先はそういう人増えるから。
私もこの３週間で２人見ているし……
君で３人目だから、医者行きなさい」鳴島
「マスターが目撃したのは、
奇声を上げて暴走運転するオッサンと、
血尿って叫んでいるオッサンでしょ？
どちらもオッサンじゃないですかぁ。
私、女の子だし、関係ないですよぉ♪」光一
「頭がおかしいのに、
男も女も関係ないだろう。
絶対君の頭はおかしいので、
徹底的に診てもらうと良いよ」鳴島
「おかしくないもん！！
少なくとも…………
マスターよりはおかしくないもん！」光一
「なんでそこで私なんだよ！！
私は関係ないし、普通だろうが！！」鳴島
「いいえ、病気ですねぇ。
毎日毎日、
『女の子のおっぱい触りたい』とか言ったり
彼女さんに
『自分の前では常に裸エプロンでいろ』
なんて強要する辺り…………
偏執的なまでの変態ですね、病気です」光一
「変じゃないよ！！
男はそれが普通だよ？
男は毎日毎日
女の子の裸だけ考えて行動しているんだよ！」鳴島
「そんな変態はマスターぐらいですから、
他の男性諸士を一緒にしないでください」光一
「そんな事無いよ！！
男が女性の身体に興味失っていたら、
とっくに人類滅亡しているんだよ！！
男が私のような考えを持っているから、
人類はまだ地球上に残っているアルヨ？」鳴島
「訂正…………
マスターは別に春のせいで
頭がおかしくなったわけじゃないですねぇ」光一
「そりゃそうだろ。
私は普通に好青年だからね」鳴島
「マスターは季節を問わず、
１年中頭の病気持ちでした♪
すいませんでしたぁ♪」光一
「失礼な！！」鳴島
「マスターに必要なのは、
脳を診てもらうというよりも、
警察でお世話になる事ですねぇ♪」光一
「私はまだ
警察の世話になる事なんてしてない！！」鳴島
「大丈夫大丈夫。
『まだ』ですよねぇ。
絶対その内にマスターはやります！
自信を持ってください！！」光一
「どんな自信だよ！！」鳴島
「毎日毎日、女性を見るたびに
アレな行為の事しか思いつかない
そんなマスターなら、
絶対にその内やらかしますから！」光一
「やらかさねーアルヨ！！
心の中で思うことと、
実際に行動することは別だってーの！
私はそこの区別はつけられるの！
何故って好青年だから！！」鳴島
「心の中で思っているだけでも、
充分にキモいですから……」光一
「第一、女性全てに対して
そんな妄想しているわけじゃない！
若くてピチピチの
私好みの女性を見た時だけです！！」鳴島
「……………………
何でまだ逮捕されないんですかぁ？」光一
「どういう意味だね！！」
