  | 
      鳴島 
       
      「ふむふむ、なるほどなるほどぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うむ。そういうわけなのだよ。 
       
      私は現状に強い不満を持っているのだ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まぁ、そうですねぇ。 
       
      私から言えることは1つですねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「うむ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「性格というか……性癖は、 
       
      基本的にそうそう変らないので、 
       
      自分がいる場所が変ろうが変るまいが、 
       
      自分の立ち位置が変るわけはないです」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「そんな事は無い! 
       
      自分を知っている人がいない所で 
       
      ゼロからスタートすれば、 
       
      新しい自分の立ち位置というものが……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスター…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんだね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「大学生の時も、 
       
      大学院生の時も、 
       
      高校教員の時も………… 
       
      ずーーーーーーっと 
       
      立ち位置同じだったじゃないですかぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、だって………… 
       
      学部と院に関しては同じ大学だから、 
       
      知っている人いたわけだし…… 
       
      ゼロからのスタートってわけには」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そして、教員時代と 
       
      今のプログラマの仕事………… 
       
      こちらは完全にゼロからですよねぇ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「むぅ……」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「教員時代は部長さんに 
       
      『変態教師』と呼ばれてましたし…… 
       
      今の職場に至っては 
       
      社長自らに『君はアブノーマルだろ』 
       
      って言わせているくらいなんですから 
       
      例えゼロから始めても、 
       
      中身が変らなければダメって事ですねぇ♪ 
       
      つまり………… 
       
      マスターの本質は変態です!」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「変態!? 何を言ってるの! 
       
      中身を変えようにも変えようが無い。何故か? 
       
      私は好青年なんだよ?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「つまり今まで私の周囲にいた人々は、 
       
      私の溢れる好青年ぶりに気づかず、 
       
      歪んだ視線で見ていたという事かな」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「どこからその自信が出てくるのか……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、私、好青年だよ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「じゃあ、マスター。 
       
      好青年ってどんな感じにですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「自分で自分の良いトコ言うの? 
       
      それだと胡散臭くないか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ここまでの主張自体、 
       
      充分胡散臭いので大丈夫ですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「言い方は引っかかるが……まあ、いい。 
       
      例えばそうだな………… 
       
      困っている人がいれば助けてあげるし、 
       
      常に周りに気を配るし、 
       
      両親にはディナーとかプレゼントしたり 
       
      まあ、普通と言えば普通だけど、 
       
      基本的に人の道に沿うことしていれば 
       
      それで好青年だと思うのだけど?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そうですねぇ♪ 
       
      マスター基本的には優しいですよねぇ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「正面から言われるとこそばゆいねえ」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「でもぉ…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ん?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスター、 
       
      質問いいですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いいけど?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「初めて会う女性って 
       
      最初、ドコに目線が行きますかぁ?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「相手は若い女性だよね? 
       
      だったら、まず胸。 
       
      顔、全体のバランス」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「…………………… 
       
      相手が好みの女性だったら?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「裸にしたいなーとか思ったり、 
       
      勝手に妄想恋愛にふける。 
       
      あ、妄想恋愛だから浮気じゃないよ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「彼女さんに会うとき、 
       
      真っ先にどうしています?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「おっぱい触る。 
       
      出来ないときは、太ももとか触る。 
       
      スキンシップ☆挨拶」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「…………マスター?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「何かね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「十分変態ですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「どこがだね!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「マスターは優しい方ですけどぉ、 
       
      そういうイヤラシ目線が 
       
      常に同居しているから 
       
      結局『変態』フォルダ入りなんですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「男なんだから 
       
      そういう目線は仕方ないだろ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「じゃあ、そこは100万K歩譲って……」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんか分かりにくい表現だけど、 
       
      譲りすぎだろ!! 
       
      数字に直したら10億歩じゃん!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「私のさっきの質問 
       
      『初めての女性、どこに目が行く』 
       
      って聞いたら………… 
       
      『相手は若い女性だよね?』 
       
      って言いましたよねぇ? 
       
      そういう思考回路そのものが、 
       
      変態さんなんですよぉ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「変態じゃないって言ってるだろ!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「大丈夫大丈夫。 
       
      変態だからこそ、 
       
      かえってムキになるんですよねぇ♪ 
       
      分かってますから♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「全然大丈夫じゃないだろ!!」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「ある意味、どこへ行っても結局 
       
      立ち位置が同じになるというのは、 
       
      マスターが一貫した態度と信念 
       
      これを貫いているとも言えますしぃ、 
       
      それはそれで大したものじゃないですかぁ♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「明らかなネガティブ要素を誉めるな!」 |