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鳴島
「うーん……………………」 |
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光一
「おはよう、綾香君」 |
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鳴島
「あ、おはようございますぅ。
うーん……………………」 |
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光一
「どうしたのかね?」 |
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鳴島
「うーん、それがですねぇ…………」 |
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光一
「何、悩みはあれかね?」 |
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鳴島
「んぅ?」 |
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光一
「生理が来ないの?
ダメだよ、ちゃんとヤル時は避妊しなきゃ」 |
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鳴島
「違いますぅ!!」 |
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光一
「あ、そりゃそうか。
相手がいないしな。
彼氏いない兼処女歴26歳●ヶ月♪」 |
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鳴島
「違いま……せんけどぉ……
ぎぃぃぃぃぃぃぃ!!」 |
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光一
「で、朝から何をウンウンうなっていたのかね?」 |
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鳴島
「ちょっと電化製品がぁ…………」 |
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光一
「電化製品?」 |
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鳴島
「うまく動かないと言いますかぁ……」 |
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光一
「あー…………」 |
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鳴島
「そうなんですよぉ」 |
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光一
「独り身で身体がさびしいからって、
大人のオモチャを買って弄っているわけ?
で、上手く動いてくれなくて欲求不満だと?」 |
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鳴島
「そんな事言ってないですぅ!!
欲求不満ぐらい解消していますぅ!」 |
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光一
「なるほどなるほど」 |
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鳴島
「って、何を言わせてるんですかぁ!
セクハラですよ、セクハラ!!」 |
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光一
「君が勝手に言い始めたんじゃないか」 |
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鳴島
「むぅぅぅぅぅ!!」 |
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光一
「で、電化製品が何なの?」 |
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鳴島
「それがですねぇ…………」 |
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光一
「ふんふん」 |
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鳴島
「さっきからスイッチ押しているのに、
どーしてか動かないんですよぉ」 |
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光一
「何が?」 |
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鳴島
「店のオーブンが動かないですよぉ?」 |
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光一
「……………………は!?」 |
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鳴島
「店のオーブンが動かないですぅ」 |
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光一
「何故!?
えっ、カフェでオーブンが動きません?
お客様からの注文どうするんだよ!?」 |
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鳴島
「今日はお休みですかねぇ?」 |
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光一
「いきなり休めるわけないだろ!?
って、何で動かなくなってるの…………」 |
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鳴島
「だから悩んでいたんですよぉ」 |
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光一
「うーん……昨日までは普通に動いていたのに……
あれ? 何でオーブンに水滴が?」 |
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鳴島
「あー、綺麗になりましたよねぇ♪」 |
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光一
「は? え?
そういえば、昨夜よりはピカピカになっているような」 |
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鳴島
「今朝、掃除のついでに、
オーブンを水洗いしたんですよぉ♪
ほら、ホースを持ってきて、ジャバーって♪」 |
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光一
「オーブンを……水洗い?」 |
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鳴島
「そうそう。だから綺麗になりましたねぇ♪
でも……動かなくなってしまったしぃ……」 |
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光一
「明らかにそれが原因だろうが!
ウチの嫁と同じ事を……店では君が……!」 |
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鳴島
「ふえぇぇぇぇっ!?
私が原因!?」 |
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光一
「家電水洗いするとか聞いたことないわ!
電子部品がショートするだろうが…………
ホント、何でそんな余計な事を思いつくの……」 |
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鳴島
「ふ、ふえっふえっ!?」 |
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光一
「あー、もう……修理呼ばなきゃ……
買いなおしだったらどうしよう…………
店も臨時休業?
綾香君の給料今後1年くらい半額にしないと」 |
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鳴島
「は……はわわわわわぁぁ!!」 |
ゴシュッ!!
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鳴島
「はぁはぁ…………」 |
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鳴島
「あっ! ど、ど、ど、どうしよう…………
か、カナヅチは……えっと……隠さなきゃ!」 |