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鳴島
「マスター、マスター」 |
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光一
「なんだい?」 |
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鳴島
「高校でまた講師をやるって本当ですかぁ?」 |
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光一
「うん。先月31日付で退職して、
高校で非常勤講師をすることになった」 |
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清香
「2006〜2007年に非常勤講師していた高校ですか?」 |
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光一
「いや、あれは私立高校だったけど、今回は県立高校。
だから、いくら頑張って働いても、
県の採用試験に受からないと正式な採用は無いのさ」 |
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鳴島
「随分思い切った手にでましたねぇ」 |
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光一
「我ながらそう思う。
収入は激減するし……色々ねえ」 |
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清香
「平日全部学校で勤務?」 |
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光一
「まあ、1日あたり授業3時間だけだけどね」 |
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鳴島
「土日は教員採用試験の対策講座ですよね?
休む日が無いじゃないですかぁ」 |
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光一
「しかし、教員採用試験に受かるためには、
こうするしかないだろう」 |
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清香
「で、何を教えるんですか?」 |
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光一
「日本史。
私、高校・大学・以前の講師時代と……
いずれも世界史専攻だけどね。
ちなみに採用試験も世界史で受ける」 |
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鳴島
「え? じゃあ日本史は一から勉強してるんですか?」 |
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光一
「うん。漢字とか難しいのね、日本史」 |
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清香
「しかし、本当に急な話ですよね?
教員採用試験は受けるけど、
一応は元々の職場に復帰する予定でしたよね?」 |
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光一
「大学時代の先生が、3月のある日…………
『高校で非常勤講師募集しているんだけど、
今日中に返事をくれないか?』
って急に言ってきて…………」 |
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鳴島
「ええっ!?」 |
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光一
「すごい迷ったけど、今日中と言われた事もあって、
その日の夕方に引き受けるって話をして。
まあ、なので退職した」 |
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清香
「まあ、なんというか本当にいきなりな話ですね」 |
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光一
「学校現場は人手が圧倒的に不足してるんだよ。
私が行く高校も、教員の半数が講師だから」 |
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清香
「ええっ!?」 |
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光一
「小学校、中学校、高校共に、
常勤講師が学級・クラス担任しているのも、
全然珍しくないよ」 |
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鳴島
「それ、正式に雇うべきじゃないですかぁ。
もしくは採用人数増やすとかぁ」 |
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光一
「中央教育審議会の答申では、
『教職員の事務が煩雑になっている』
『生徒一人一人に向き合う時間の確保が難しくなっている』
『よって教職員の定数改善を図るべき』
って言われているけど…………
例えば東京都は2014年度採用試験の人数を、
前年比のなんと半分に削減するからね」 |
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清香
「教育再生っていう割には…………
現場の負担を増やすだけなんですかね?」 |
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光一
「日本は先進国の中でも、
ダントツに教育予算をつけていない国だからね。
教員の数をどんどん減らしたいんでしょ。
安倍晋三の言う『教育再生』って、
現場に精神主義を吹き込んで、
『聖職者は滅私奉公の精神でやれ』
って言っているだけだからね。
あの人のやりたいのは、
『自民党にとって都合の良い学校教育』
にするってだけだからね」 |
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鳴島
「まあ、環境が変わって状況が良くなるといいですね」 |
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光一
「まあ、そうだねえ」 |
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鳴島
「で、女子高生にモテたいからって……
ヒゲを剃ったんですかぁ?」 |
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光一
「ちょっと、その言い方は語弊があるよ!」 |
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鳴島
「どう違うんですかぁ?」 |
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光一
「まず、教員採用試験受けるのに…………
ヒゲ生やして来ました……は無いだろ?」 |
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清香
「まあ、そうですね」 |
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光一
「次に高校で教壇に上がるのに…………
やっぱりヒゲ生やしているのは無いだろ?」 |
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清香
「そうですね」 |
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鳴島
「で、結果として女子高生にモテたら良いと?」 |
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光一
「私は別に女子高生に手を出そうなんて考えてない。
ただ…………
女子高生が私に好意を寄せたなら、
それを拒む理由はどこにもないだけだ」 |
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鳴島
「いやいやいや、あるでしょ!」 |
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光一
「何故?」 |
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鳴島
「三十路のオッサンが、
女子高生に手をだして許されるとでも?」 |
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光一
「手は出さないよ!
好意を持たれても良いだろってだけだよ」 |
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鳴島
「どこまで違う議論かな?」 |
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清香
「少なくともマスターが、
女子高生にモテたい…………
と思ってるのは間違いないね」 |
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鳴島
「この歳になって既婚者なのに、
まだ女子高生にモテたいなんて思ってるとは」 |
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光一
「モテたいと思うのに年齢上限があるのかね?」 |
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鳴島
「そういう問題じゃないでしょうよぉ、まったく。
あ、今日は私達のイラストを貰っています♪」 |
『カッとなって描いた清香君』
(清水ももこ様)
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鳴島
「ももこさんからは、清香の『ぐぎぎぎ』って顔を♪」 |
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清香
「……最近、私をいじる回数増えてきたよね?」 |
『綾香君が清香君の着ぐるみを待ちうけにしてみた』
(くらみず様)
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鳴島
「後は、以前…………
清香がリラックマの着ぐるみになった恥ずかしい姿を、
私の携帯待ち受けにするという素敵なイラストです♪」 |
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清香
「すぐにその画像を消しなさい!!」 |