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光一
「まったく…………
本当にこういう点では女性が羨ましい!」 |
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鳴島
「何に対して羨ましがってるんですかぁ?」 |
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光一
「いや…………ウチの嫁さんが、
バイト先で巨乳のお客さん見たらしくてね」 |
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鳴島
「はぁ?」 |
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清香
「それがどうしたんですか?」 |
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光一
「私は巨乳の若い女性が好きなんだよ」 |
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鳴島
「女性従業員の前で平気でそういう事いう人は」 |
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清香
「セクハラで訴えられて、
警察に連行されるの知ってますか?」 |
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光一
「違う!!
最後まで話を聞きたまえ!!」 |
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鳴島
「何が違うというのか…………」 |
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光一
「で、嫁さんがバイト先で巨乳の客を見たって言うから、
『その客は何カップだったの?』
って聞いたわけよ、当然ね」 |
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鳴島
「…………………」 |
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光一
「そうしたら、嫁さんは、
『知らないよ、そんなの』だよ?
巨乳だって言うなら、
何カップか、バスト何センチか?
それを報告するのが当然だろ?」 |
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鳴島
「普通じゃありません」 |
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清香
「当然じゃありません」 |
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光一
「あれ!?」 |
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鳴島
「見た目で胸が大きいかどうか、
分かるかもしれませんけど……」 |
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清香
「何カップとか、バスト何センチなんて、
見ただけで分かる訳ないじゃないですか」 |
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光一
「だからそこだよ!!」 |
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鳴島
「はあ?」 |
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光一
「そこにこそ、女性の特権があるだろ?」 |
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清香
「なんですか?」 |
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光一
「ほら、男の場合さ?」 |
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鳴島
「ひゃあぁっ!?」 |
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光一
「こうして女性の胸を触ったりするとさ」 |
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鳴島
「な、な、何をするんですかぁ!
警察呼びますよ?
刺し殺しますよぉ!?」 |
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光一
「ほら、女性の胸をちょっと触っただけでこれだ。
男は女性の胸を、おちおち触る事もできない」 |
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清香
「当たり前です。
何言ってるんですか?」 |
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光一
「え!?
何でそんな軽蔑のまなざしなの!?」 |
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鳴島
「当たり前ですぅ!!」 |
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光一
「ともかく、
男はせっかく素敵な巨乳女性見てもね、
それを触ったりする事は出来ないんだよ」 |
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鳴島
「何を言ってるんですかぁ?」 |
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光一
「女性同士なんて、
お互いの胸を触ったって平気だろ?
少なくとも訴えられないだろ?」 |
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清香
「まあ、訴えられる事は無いですかね」 |
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光一
「だから当然ながらだよ、
その巨乳女性……若い女性が店に来たんだろ?」 |
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鳴島
「まあ、奥さんの話では来たらしいですね」 |
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光一
「だったら、女性としての特権を利用して、
その女性の胸を揉んでみてだね、
カップ数などを調べて、
それで私に報告すべきじゃないかね?」 |
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鳴島
「はあ?」 |
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光一
「女性の胸に問題なく触れるのは、
女性の特権ではないかね。
それを利用しないなんて…………
私は男性であるために、
そういう事が出来ないのに……」 |
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清香
「マスター…………」 |
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鳴島
「それは別に女性の特権でも何でもないです」 |
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光一
「はあっ!?
何を言ってるの君達!?
言っている事の意味がわかってるのかね!?」 |
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鳴島
「マスターこそ、
何を言ってるか分かってるんですかぁ!?」 |
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光一
「私は女性が行使すべき権利を
声を大にして言っているだけだが?」 |
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清香
「いや、女性のためじゃないですよね?」 |
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鳴島
「マスターの欲望のために、
女性を利用しようとしているだけですよねぇ?」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「……………………」 |
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清香
「……………………」 |
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光一
「そういう側面も、有る事を、
私は必ずしも否定はしない。
しかし、これは女性の権利を主張するための、
ある意味やむを得ない便宜的な主張であり……
つまりは…………………」 |
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鳴島
「はい、清香」 |
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清香
「えっと、110番と…………」 |
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光一
「ああ、待ちたまえ君達!!
私の話はまだ終わっていないし、
これは決して女性に対するセクハラなどではなく……」 |