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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「ん?
何かね、綾香君?」 |
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鳴島
「エイプリルフールは、
もうとっくに終わってるんですよぉ」 |
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光一
「そうだね」 |
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鳴島
「4月4日にもなって……
エイプリルフールですかぁ?」 |
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光一
「いやだって……4月1日には
更新自体ができなかったし……」 |
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鳴島
「というか、日記のネタ……
エイプリルフールですよね、ね?」 |
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光一
「そうだね」 |
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鳴島
「ということはぁ……
『大学院を卒業したのに、
4月からまた大学院の授業を受ける』
という、日記もネタですよねぇ?
冗談ですよねぇ?」 |
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光一
「冗談…………」 |
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鳴島
「あ、やっぱり♪」 |
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光一
「と言えたら良かったなあ……」 |
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鳴島
「え!?
冗談じゃないんですかぁ?
ちょ、マスター!!
遠い目をしてる場合ではないですぅ!」 |
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光一
「いや、大学院を卒業したのはホント。
就職したのも本当だよ。
でも、教員免許の取得に失敗して……」 |
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鳴島
「仕事先って、私立校の先生ですよねぇ?
だったら、教員免許は必要ですよねぇ?」 |
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光一
「大学の学部時代に取った、
『高等学校教諭第一種免許』
は持ってるよ。
だから、高校で先生はできる」 |
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鳴島
「だったら、
4月からまた大学院の授業って?」 |
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光一
「大学院では、さらに上級の免許である、
『専修免許』が取れるんだ……
その単位が4単位足りなかったの……」 |
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鳴島
「うぇ!?
たったの4単位ですか?」 |
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光一
「授業数に直すと、
たった授業2つ分だね……
なので、夏までに4単位取得して、
専修免許の申請をしなおすの」 |
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鳴島
「あー……それでまた大学院の授業を?
聴講生として授業に出る理由は
それですかぁ…………
しかし、単位が足りないって……」 |
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光一
「つい、計算ミスをしていてね……
まあ、しょうがない。
多少忙しくなるけど、
仕事と大学院の授業にバイト……
この3つを掛け持ちだねえ……」 |
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鳴島
「月曜から水曜まで非常勤講師。
金曜日には大学院の授業を受け、
土日はバイトですかぁ…………」 |
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光一
「まあ、身から出たサビだ。
止むを得まいな」 |
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鳴島
「ま、頑張ってくださいな!」 |
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光一
「うむ。
しかし、この事はホント……
エイプリルフールネタでした!!
と言いたかったよ、本当に……」 |
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鳴島
「そりゃ、そうですよねぇ。
授業の聴講のためにぃ、
貴重な時間も…………
そして何より10万円近いお金も
余計に必要になったんですからねぇ?」 |
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光一
「ぐうっ!!」 |
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鳴島
「まったく、しっかりしてくださいよう」 |
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光一
「はい。そうします…………」 |
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鳴島
「しかし…………
6年間も学部・大学院時代と世話した学生が、
仕事に就いたと思ったら……
『4月から聴講生としてお世話に』
『実は専修免許の単位が足りず』
なんて…………
恩師の先生はどう思ったんでしょうねぇ?」 |
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光一
「免許単位が足りないので、
仕事をしつつ、聴講生もする……
それを言ったら…………
『ええっ! ウソ!?』
と言われた…………」 |
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鳴島
「そりゃ、そうですよぉ」 |