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鳴島
「ふふふーん♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「願い事っ♪ 願い事っ♪」 |
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光一
「綾香君、おはよう」 |
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鳴島
「うひゃあっ!?」 |
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光一
「……………………
非常に珍しい驚き方だね」 |
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鳴島
「あ!?」 |
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光一
「うん?」 |
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鳴島
「見ましたね?」 |
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光一
「何を?」 |
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鳴島
「マスター、見ましたね?」 |
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光一
「あー、
君の入浴のぞいたこと?」 |
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鳴島
「そんなことしていたんですかぁ?」 |
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光一
「女性の身体が好きなんだから、
仕方が無いではないか!!
男としてむしろ当然の行動ですよ!」 |
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鳴島
「開き直った!?」 |
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光一
「そうでないとしたら、
他に見咎められることは
ないと思うのだがね?」 |
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鳴島
「見咎められることという
意識はあるんですね…………」 |
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光一
「こんなこと、
気心の知れた女性以外にやったら、
私の人生が終わってしまうではないか。
で、何を見た見ないと言うのかね?」 |
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鳴島
「ふう……やれやれ……
私が短冊に
願い事をかけているところですぅ」 |
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光一
「あー…………バッチリ見たね♪」 |
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鳴島
「あー……見られた!!
見られたら願い事叶わないのにぃ!」 |
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光一
「……………………
多分、丑の刻参りと勘違いしているぞ」 |
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鳴島
「あれ?
そうでしたっけ?
七夕って人に願い事見られちゃ……」 |
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光一
「そんな行事だったら、
おおっぴらにできないだろうが……」 |
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鳴島
「あー、それもそうですねぇ♪
なら、大丈夫!!」 |
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光一
「いや、それはどうだろ?」 |
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鳴島
「どういう意味ですかぁ?」 |
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光一
「七夕って7月7日なのだが……」 |
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鳴島
「んぅ?」 |
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光一
「今日って何日かというと、
すでに7月17日……
おしい、10日間過ぎていた♪」 |
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鳴島
「なにゃぁぁぁぁ!?」 |
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光一
「なにも、そんな奇声で大声出さんでも……
普通におバカなのに、
ますます知性のない、
おっぱいだけ大きい娘だと思われるぞ?」 |
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鳴島
「マスターの…………
おバカァァァァァ!!!」 |
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光一
「何で今度は
私が罵倒されねばならん!」 |
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鳴島
「それもこれも…………
マスターが七夕の日に更新しないから……」 |
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光一
「しょうがないだろ、
間に合わなかったんだから」 |
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鳴島
「仕事がどーのだとか、
プライベートがどうとかで、
こちらを放っておいたから……」 |
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光一
「それも仕方が無いだろ。
ちなみに週末から社員旅行で沖縄行ってるから♪」 |
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鳴島
「あー、これで私の願い事が叶わない!!
全てマスターのせいだぁぁ!」 |
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光一
「7月7日って、
ポニーテールの日なんだけど……」 |
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鳴島
「シャァラップ!!
一部マニアにしか
認知されていない日など
論外です、論外!!
七夕は願い事を叶える日ですぅ!!」 |
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光一
「君は自分の存在の一部を否定したぞ……
それと七夕は願い事をかなえる日ではなくて、
織姫・彦星が年に1回会う日なのだが」 |
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鳴島
「あーあ…………
せっかく短冊書いたのにぃ…………」 |
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光一
「まあ、どちらにせよ叶わないんだし、
良いのではないか?」 |
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鳴島
「なにゃっ!?
この聖なる七夕様になんてことを!」 |
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光一
「この世に神様なんていないし、
願い事なんて願っているだけで叶うなんて
そんなのただの怠け根性ではないかね」 |
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鳴島
「むっ!」 |
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光一
「夢っていうのもダメだな。
何か実現したいものがあれば、
夢想などせずに、行動すれば良いのだ」 |
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鳴島
「ロマンがな〜い…………
マスター、女性にもてないですよぉ」 |
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光一
「現実を見ていると言ってほしいが……
どちらにせよ、私にはパートナーいるし、
別にこれ以上女性にもてなくたって」 |
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鳴島
「マスターは、
今このカフェに来ている方を、
確実に何割か敵に回しましたよぉ……」 |
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光一
「まあ、
夢くらい自分でかなえる行動をしなということだ」 |
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鳴島
「まぁ、それは一理ありますけどねぇ……」 |
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光一
「ん、これが君の書いた短冊かね」 |
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鳴島
「はい♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「どうしましたぁ?」 |
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光一
「いや……夢は夢のまま、
願い事は願い事のまま
それで良いものもあるかもな……」 |
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鳴島
「んぅ?」 |
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光一
「だって君…………
自分の短冊を見直して見なさい」 |
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鳴島
「『この美貌と若さが永遠に保てますように♪』
『そして、1000年後の世界に世界三大美女として
私は伝説に残る♪』
いいじゃないですかぁ♪
永遠の20歳、
永遠にこのモデル並のスタイルですよぉ!!
たとえ100歳になっても今の外見を……」 |
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光一
「いやいやいや、
どう考えても無理だから」 |
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鳴島
「マスターはロマンがない、ロマンが……
ロマンのない奴なんか大嫌いだ!」 |
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光一
「ロマンうんぬんじゃなく、
どちらにせよ実現できないだろうが……」 |