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光一
「うーん、
最近はとみに暑いねえ」 |
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鳴島
「そうですねぇ…………」 |
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光一
「いやぁー、
沖縄は本当に暑かったよ」 |
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鳴島
「そりゃあ、
こちらよりも南にありますもんねぇ。
というか…………
何で私だけ沖縄に行ってないんですかぁ?」 |
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光一
「え!?」 |
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鳴島
「なんでぇ、私だけぇ、
沖縄に行ってないんですかぁ?」 |
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光一
「何ででしょうかねえ?」 |
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鳴島
「私だってここで働いているのに、
旅行なんて……
連れて行ってもらった記憶もないんですよぉ!」 |
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光一
「記憶にあるわけがない。
そりゃあ……だって
連れて行ったことがないんだから」 |
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鳴島
「ぐぎぎぎぎぎぃぃ!!」 |
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光一
「ちょ、ちょっと!!
旅行に行けないくらいで
人を殺すような早まったことはしないほうが
良いかと思うんだけど、どうですか?」 |
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鳴島
「ぐみゅるぐみゅる……」 |
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光一
「いや、ほら、あれだ!!
旅行なんて……えっと……
お金はたくさん使っちゃうしさ!」 |
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鳴島
「会社が費用負担しているから、
マスターは宿泊費とか
一銭も出してないですよねぇ」 |
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光一
「あ、それに、ほら!!
人ごみがスゴイ!!
人がたくさんいてうんざり!
せっかく骨休めと思っても、
かえって疲れるというか。
疲れるために旅行に行くのもさ」 |
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鳴島
「お気遣いいただかなくても、
私、人ごみ平気ですよぉ。
好きな言葉は『人がゴミのようだ!』」 |
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光一
「それは……ちょっとまた違うかと思います」 |
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鳴島
「……………………
マスターがゴミのよおだぁ……」 |
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光一
「それに、ほら!!
今暑いじゃない! 猛暑じゃない!!」 |
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鳴島
「暑いですねぇ…………
釜茹でなんてしたら、
もっと暑いですかねぇ」 |
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光一
「何、何を釜茹でにする気かね!?」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「ほら、ただでさえ暑いしさ、
本州よりも遥かに暑い沖縄に、
君を連れて行くなんて……」 |
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鳴島
「ほぉー…………」 |
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光一
「そ、そ、気遣いなんですよ、気遣い。
それに…………そうそう!
沖縄はこちらよりも遥かに日差しが強くて、
もう日焼けしちゃう日焼けしちゃう!
可愛い女の子の柔肌をね、
気遣ってあげただけなんだよ」 |
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鳴島
「なるほどぉ……そうでしたかぁ」 |
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光一
「そうそう!!」 |
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鳴島
「マスターの気遣いとも思わず、
旅行置いてけぼりかと思いまして」 |
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光一
「うんうん」 |
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鳴島
「なんせぇ、沖縄旅行の前日、
私に何の話もしていないどころか、
翌朝、店に出てきたら張り紙があって、
『沖縄旅行中のため、
22日まで休業です』
ってありましたからねぇ♪」 |
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光一
「いや、気遣いよ。気遣い!
沖縄に行くなんて前もって話していたら、
君は行きたがるでしょ?」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「マスター?」 |
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光一
「なーに?」 |
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鳴島
「沖縄楽しかったですかぁ?」 |
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光一
「ものすごい…………」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「……………………
楽しくなかったですよ」 |
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鳴島
「何で視線が泳いでいるんですかぁ?」 |
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光一
「……………………
お、泳ぐ!? な、何のこと!?
プライベートビーチに魚がいたなんて
私記憶にすらないし、
ルームサービスなんて記憶にもないです!」 |
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鳴島
「死ねぇ♪」 |
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光一
「!?」 |
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鳴島
「まぁ、それは今回勘弁してあげましょう。
色々お土産買ってきたので、特別です」 |
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光一
「ですよねー」 |
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鳴島
「きっ!」 |
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光一
「ヒイッ!!」 |
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鳴島
「……しっかし、
男ってのは
どうしようもない生き物ですねぇ」 |
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光一
「な、何だね、今度は急に!」 |
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鳴島
「沖縄に行ってまで、
エッチな事をしてくれる
お姉ちゃんの話ですかぁ」 |
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光一
「しょうがないだろ!!
同僚と2人で盛り上がったよ。
女性の身体の気持ちよさについて、
飲みながら語らったよ!!
男です。何か問題でも!!」 |
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鳴島
「開き直った!?」 |
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光一
「だって、南国的な開放感だもの♪」 |
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鳴島
「それで同僚と2人で電話帳を見ていたと」 |
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光一
「いやー…………
ツッコミどころ満載ではないかね、
このソープランドの名前など!!」 |
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鳴島
「ソープランド・ウェディング写真館……」 |
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光一
「いやぁ、男として憧れですよ!!
ウエディング!!」 |
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鳴島
「女の子が憧れるなら分かるけど……
なんで、マスターが…………」 |
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光一
「いや、ウエディングでエッチですよ!
これ、憧れじゃないですか!
最も清純な姿を汚すなんて……かぁー!!
ネーミングからして気になる場所だった!!」 |
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鳴島
「…………………」 |
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光一
「ん? 何かね?
人をまるでゴミでも見るかのような目で」 |
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鳴島
「どこへ行っても、男はそーだ……」 |
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光一
「だって、ウエディング写真館とエッチですよ!
同僚と2人でコスプレエッチ話していましたよ!!」 |
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鳴島
「沖縄の綺麗な空に海も、
この穢れた男を
清めることはできなかったのですね。
アーメン…………」 |
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光一
「人を穢れた言うなー!!
むしろ、人として当然の欲求を抑えないだけです!
君だってその大きくて…………
男を惑わす……お、お、お……」 |
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鳴島
「????」 |
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光一
「とりあえず、その巨乳を触らせなさい。
話はそれからです」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「返事はどうしたかね?」 |
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鳴島
「マスター、
今回プレゼント貰ったんですよぉ」 |
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光一
「ほぉ、何かね?」 |
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鳴島
「マスターが私に刺されている図ですよぉ♪」 |
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光一
「あ、ちょ、ちょっと話し合おう。
人間って欲求を抑えて
理性でもって話し合う文化wo…………」 |