憧れの運転

中学校一年生時


みなさんも憧れたものって色々ありませんか?

私は中学生の時に非常に憧れたものがありました。




















それは、


片手で自転車を運転しつつ、


食事を取ること!!


でした。











片手で自転車を運転するのはそれほど難しくありません。











しかし!!










片手運転に加えて、


食事を取る


などというのはかなりの難易度を有しています。










しかし、

憧れは所詮憧れです。

それは目標へと転化させて、

努力しなければいけないものです。










当時、

中学一年生だった光一も、

必死で努力して、

片手運転をしながら物を食べれるレベルに到達しようとしました。










まず、


自転車で片手運転しながらジュースは飲めるようになったんですよ。











とくれば、

次のステップアップが必要です。










自転車で片手運転しつつ、

さらに食事を取るなんて……










なんて優雅なことだろう!!











しかし、

同じ食べるにしても、


エレガントな食事をしながら自転車を運転したい!!











少年光一はそう考えていました。










確かに、


片手運転という優雅な運転を見せ付けているのに、


食べているのが


30円のベビースターラーメン


では折角のエレガントな行動が減殺されてしまいます。


ことはエレガントに運べ、だそうです。レディー♪





















ということで、


エレガントにしてみました。




















光一「ふふふ〜♪」


と、私が鼻歌交じりに片手運転。

そして、空いているハズの手には


エレガント


な食べ物がありました。





























ティラミス

ことはエレガントに運べ、だそうです。レディー♪










はい。

当時月の小遣い3000円の中から、

約300円をこのために大放出しました。










もちろん、


お皿に載せたティラミス


を持ったまま、

自転車を片手運転です。











実にエレガントだと思いませんか?































しかし!!










左手は自転車のハンドルを握り、

右手はティラミスの載った皿を持っています。




















大問題発生です!!






























どうやってティラミスを食べるのか?











片手運転にティラミスというエレガントな組み合わせ。





















しかし!!










手が空いていないからといって、


これに直接口をつけて食うのは野蛮です。


そんなことは、


犬猫が皿に直接顔を突っ込んで餌を食うのと同じです。





























そんなワケですから当然……








































スプーン=エレガントだよ、レディ


マイスプーンを持参ですよ!!

そこら辺に、ぬかりはありません♪


ことはエレガントに運べ、だそうです。レディー♪




















しかし!!






























このままでは肝心のスプーンが持てないことに、


運転中に気がつきました。




















そこで、

機転を利かせました。











自転車のハンドルの真ん中辺りって、

一種の空きスペースじゃないですか♪

そこに、

私は身体を押し付けるように前のめりになり、

ティラミスの載った皿を置いて、

で、空いたスプーンでティラミスを食べつつ、

自転車の片手運転という偉業を成し遂げたのです!!










自転車を片手運転しつつ、

ティラミスの載った皿を自転車車体前部に置き、

そして前のめりになってスプーンで食す!!










なんという優雅な運転でしょう……

自転車の片手乗りをしつつ、

食事をするという目標は達成されたのでした。


ことはエレガントに運べ、だそうです。レディー♪














































ガシュアァァァァ!!


ズシャァァァ……












次の瞬間、


不安定な運転体勢から

カーブを曲がることができずに、

そのまま転倒……










ティラミスは見るも無残な姿になり、

私は当然あちこち怪我して、

おまけにティラミスと砂まみれになって、

とぼとぼと自転車を押していったのでした。


ことはエレガントに運べ、だそうです。レディー♪
(無茶を言うな!!)


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