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光一「いやー、本当に美味しいよね。何でだろ?」
どうも、最近体調不良が続いていてのっぴきなりません。光一です。
ところで、のっぴきって何ですか?
さて、先日母校である大学の学園祭に行った話をしました。
それで自分が現役大学生だった頃の学園祭話を思い出しました。
(先日の参照:2009年11/27:『大学学園祭へ顔を出してきました』)
それは…………今をさかのぼる事8年前の学園祭。
学園祭の出店を回っていると、様々なサークルの出店があるわけです。
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K君「オー、光一先生。ウチの焼き鳥買ってくださいヨー」
と、現在は中国で研究者を目指している友人K君の声が。
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光一「お、K君のところは焼き鳥なの」
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K君「そソー。美味しいアルヨー!!」
時折変なしゃべり方をしていますが、彼はれっきとした日本人です。
当時空手のサークルに所属していました。ちなみに私は文芸部ですよ。
そうそう皆さんもご記憶にあるかもしれませんが、
文化祭の出し物ってどれも同じような感じですよね?
特に食べ物に関して言えば…………
同じ内容の屋台が被っていたり、味はどれも同じような感じで…………
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光一「じゃあ、1本ちょうだいな」
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K君「ヘーい、1本50円ですぜダンナ!
ウチの娘は他と一味違うヨー!」
君は自分の娘を切り刻んで、タレに漬けて焼くのか?
まあ、自分も各サークルに友人がいる関係から
結構義理で買っていた記憶なんかがあるのです。
みなさんも経験ありません?
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光一「ほい。じゃあ、いただきます」
パクッ………………………
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光一「……………………」
……………………
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光一「……………………」
……………………
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光一「な、何コレ…………」
K君の屋台から買った焼き鳥…………
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光一「これ、ものすっごく……………
美味いんだけど!! 何、何なのこれ!」
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K君「だから他とは違うと言ったではないですかカ」
そう…………K君の屋台の焼き鳥…………
すっごく美味かったのです。それこそ普通に店で出せるレベルで。
柔らかくジューシーで、ものすごいコクがあって…………
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光一「いや、これは初めてだよ。
こんな美味い焼き鳥……出し物で出るんだ!
もう2本買わせてくれ!!」
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K君「アイヨー。串2本追加ネー!」
あまりにも美味しいK君の屋台。
文化祭で同じ屋台から追加購入なんて……後にも先にもここだけでした。
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光一「いやー、本当に美味しいよね。何でだろ?」
本当に美味しい物が屋台でも出せる。
他の出店にも見習ってほしいと、素直にそう思いましたね。
思わず、どうして美味しいのか聞いてしまうくらいです。
他店と何が違うのやら?
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光一「いやー、本当に他店と何が違うんだろ?」
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K君「アー、そうダネー…………」
K君は額の汗をぬぐい、澄み切った空を見上げて言いました。
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K君「コウカイしないなら教えてあげるヨ?」
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光一「焼き鳥の作り方で何を後悔するんだよ……」
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K君「アー、そう? うんとねー…………」
また、額の汗をぬぐうK君。私もハンカチで汗をぬぐう。
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K君「あー、そういえば今日暖かいヨネ」
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光一「あー、11月半ばなのにねー」
母校の大学学園祭は毎年11月第2土日です。
ちょうど寒くなって来る時期に行われます。ただ、この年は暖かかった。
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K君「ウチら屋外で仕込みやってるんダ。
ほら、テントの裏で今やってるジャン」
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光一「そうみたいだね」
見ると…………
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ヨイセ、ヨイセ!!
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ヨッコイショ!!
テント裏スペースで屈強そうな空手部員たちが肉を弄っています。
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K君「果物と同じ事だヨ」
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光一「ん?」
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K君「昨日からずっと暖かいジャン?
だからなんだろうネエ」
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光一「うん?」
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K君「仕込みしている段階から
肉の熟成が進んでいるんだろうネ。
だから柔らかくて美味しいんじゃナイ?」
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光一「肉の熟成?」
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K君「アー、つまり………………
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肉も腐りかけが美味しいって事だヨ!」
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光一「……………………」
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ぶふぅぅぅぅぅ!!!!
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K君「だから早く売りきらないと…………
色々ヤバイかもしれないヨ?」
ボクは彼との約束通り、コウカイしませんでした。
▼確かに腐りかけは美味しい……美味しかったので結果オーライですが……
▼今日の一言▼
美味……是最高熟成寸前也(これじゅくせいすんぜんがさいこうなり)
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