告白体験
大学二年生時
みなさん、告白体験はあるでしょうか?
告白するでも、されるでもいいですが。
テキスト系サイトをやっている人間は、
基本的に「非モテ」という言説があります。
しかし、
しかしそんな私でも、
一応「人様」です。
人様として人様並みに告白されたことも数回あります。
告白されれば、
付き合うこともありますし、また振ることもあるわけです。
様々です。
人の心の最も動かされる瞬間……告白……
この光一も、
告白されるたびに、
様々な胸の高鳴りを感じましたし、
また、様々なリアクションをしました。
予期せぬ展開も多々あったわけです。
今日は、
そんないくつかの体験の中から、
最も最近のものについて書いてみましょう。
さて、
当時の私はまだ大学2年生で、
まだまだ若く、
(そして今も若い……)
将来に希望を持って学業に励んでいました。
その夏休みに、
当時所属していた史学専攻の先輩(女)から電話が来たのです。
光一「あ、S先輩。どうしたんですか?」
S先輩『あ、光一君。ちょっと話があるんだけど、いいかな?』
光一「何の話ですか?」
S先輩『ちょっと、電話じゃ話しにくいの……
直接会って話ししたいんだけど……』
そのときは夏休みで、
私も今と違って車を持っていませんでしたから、
ホイホイと片道1時間半の道のりを経て大学に行くことはまずありません。
しかし、S先輩は大学の近辺に当時は住んでいました。
私が大学から遠くに住んでいることは先輩も承知です。
S先輩『早く会って話をしたいの……近々会えないかな?』
先輩の、
そのためらいがちな声使いと、
懇願するような声音……
ズギューン!!
わ、
私の清純なハートを
鷲掴みにしてくれるじゃないか……先輩!!
夏の開放感が、
この私の脳裏に一瞬に閃くものをあたえました。
S先輩の恥ずかしがる顔……
水着……
旅行に……そして旅館での夜……
とめどなくあふれ出る想像が、
20歳前後の青年にありがちな欲求をかきたてる衝動的光景が……
めくるめく夏のワールドへといざなうようでした……
光一「あ、全然問題ないですよ。
今日明日は無理なんで、明後日どうですか?」
しかし、
そんな欲望むき出しの考えは先輩にまだ見せてはいけない……
きわめて事務的に、
そう事務的に対応したのです。
(これが重要です)
先輩S『うん。わかった。
じゃあその日のお昼に学部棟の前で待ってるから……』
バキューン!!
く、くふふ……
先輩の声が私の全身を駆け巡った!!
……欲望があふれ出そうだ……
そう思いながら、電話を切りました。
さて、約束の日。
私はきっちり前日のうちに散髪をし、
お気に入りの服ではるばる夏の暑い中、
片道1時間半をかけて大学へ行きました。
その女の先輩は、
私の到着以前にそこにいました。
光一「あ、S先輩。すんません。待ちました?」
S先輩「ううん。待ってないよ。今来たところだったから」
ドギャーン!!
先輩の一言一言が、
この私の心の臓をつかんで離さんわ!!
きっと、
きっとかなり前から待っていてくれたんだね、先輩……
S先輩「こ、光一君。あのね……その……」
ああ、
そんなじらさなくても……
先輩の言いたいことはわかるよ!!
私はその一言を聞いたら、
すぐさま……
光一「実は私も前々から先輩……いや、Sのことが」
と切り返すから!!
さあ、
さあ、
安心して私に告白の言葉をぶつけなさい。
気持ちをそのままぶつけなさい。
S先輩……いや、
俺の可愛い仔猫ちゃん♪
S先輩「とっても言いにくいんだけど」
光一「はい」
S先輩「その……」
さあ……
イッツア告白ターイム!!
S先輩「大学のPR雑誌の原稿書いてくれないかな!!」
大学のPR雑誌の原稿書いて
告白ターイム!!
大学のPR雑誌の原稿書いて
告白ターイム
大学のPR雑誌の原稿書いて
告白t……
光一「はい。了解しました」
こうして……
こうして私は、
先輩の心と身体をいただく夏。
先輩とのアバンチュール……
そんな青春的大学生的夏休みをプレゼントされるでもなく……
PR雑誌のライターを引き受けることとなったのでした……
告白には予期せぬ展開があるといいましたね……
これは……
世間一般で言うところの、
「誤爆」
とか、
「暴走勘違いカッコ悪」
というケースに該当します……
(S先輩……アンタ罪作りだよ……)