11/10(水)

ラジオ講座


光一

「うーむ……やっぱり受信がよくないなあ……」
鳴島

「あれ? どうしたんですか?」
光一

「うむ。ラジオの英会話講座始めたんだが……
どうにも電波状況がよくないんだよ」
鳴島

「ほえ? 英会話ですかぁ?」
光一

「ああ、来年の春はドイツに史料集めで長く滞在するから」
鳴島

「それだったらぁ、ドイツ語やるべきでは?」
光一

「うーん……ドイツ語なんとか読めるようになってきた程度なんだ。
どうせ向こうは英語でも通じるから、ならとっつき易いほうをね」
鳴島

「そんなものなんですかぁ?」
光一

「少なくとも、学生や文書館の職員……向こうの市民層には通じるよ。
まがりなりにも階級社会だからね。向こうは。
エリートは何ヶ国語かできて当然の世界」
鳴島

「市民って……○○市の人ってことですよねぇ?」
光一

「向こうは『市民』と『国民』は全然別物だぞ?
そもそも日本が区別ないくらいに混ざってるだけで。
『教養市民層』とでもいうべきかね?」
鳴島

「そ、そんなものなんですかぁ……」
光一

「うむ。
まあ、それはさておき……
英語をやるというのもあるが、
欧米系列の言語を聞きなれておくためでもある。
日本にいると周りで話されていないからね……」
鳴島

「うーん、確かにそうですねぇ。
私なんて、英語とか聞いただけでパニックですぅ……」
光一

「君の場合は、
頭に行くべき栄養が、
全てその大きな胸に吸収されてしまったからな
鳴島

エッチ!!

どこ見てるんですかぁ!!」
光一

「誉め言葉は素直に受け取りたまえ。

巨乳で美乳なんてのは素晴らしいことだぞ!!

自信を持ちたまえよ!!
鳴島

「まったくぅ……エッチなんですからぁ……」
光一

「……うーん……やっぱり電波悪いなあ……」
鳴島

「そうですねぇ……雑音が……」
光一

「家の近くがパチンコ屋だからなあ……
電波状態には恵まれていない」
鳴島

「携帯もブツブツ切れますもんね」
光一

「この静かな空間に、
パチンコなど余計なもの作って……はあ……」
鳴島

「マスター、パチンコ大嫌いですもんね」
光一

「基本的に、うるさいものは嫌いなだけだよ」
鳴島

あ、パチンコ屋の電波遮る方法ありますよ♪
光一

「お、どうやる?」
鳴島

ラジカセをアルミ箔で包んで、
電波が届かないようにするんですぅ♪
光一

「………………………………」
鳴島

「あれ? マスター?」
光一

「そしたら、

どうやってラジオの電波を受信するのかね?
鳴島

「……………………………」
光一

「……………………………」

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