|
光一
「ふぅ……昼食タイムは忙しい現代社会の中でも
癒しの………………」 |
|
鳴島
「マースーター!!!!」 |
|
光一
「…………………………」 |
|
鳴島
「マスターマスター!!
大変! たーいーへーん!!」 |
|
光一
「……………………」 |
|
鳴島
「ちょっとぉ、マスター!
人の話聞いてますかぁ?」 |
|
光一
「いや……ちょっと頭痛が……」 |
|
鳴島
「あー、マスター頭痛持ちですもんねぇ」 |
|
光一
「いや……そういう頭痛ではなくて、
こう現代社会のストレスというかね……
平穏な時間をかき乱す要素というかね」 |
|
鳴島
「ほぇ?」 |
|
光一
「うん、まあ……いいや、何?」 |
|
鳴島
「そうそう!!
大変、大変なんですよぉーう!!」 |
|
光一
「うん。大変なのはさっきから君が叫んでるので分かる。
何が大変なのかね?」 |
|
鳴島
「このままでは…………
マスターが清香に殺されますよぉ」 |
|
光一
「……………………は?」 |
|
鳴島
「だ〜か〜ら〜、
このままだとマスターが清香にぃ」 |
|
光一
「いや、待ちたまえ待ちたまえ!!
何で私が清香君に殺されるの?」 |
|
鳴島
「いや、それは先日…………
以下のような事がかくかくしかじか……」 |
<以下、綾香の回想>
|
|
清香
「お姉ちゃん、お姉ちゃん」 |
|
鳴島
「なになに〜?」 |
|
清香
「私、この前宝くじ当たったじゃない」 |
|
鳴島
「当たってたねー。すごかったー」 |
|
清香
「だから、せっかくなんでこんなの買ってみたの」 |
|
|
鳴島
「松茸様ッ!?」 |
|
清香
「せっかくだし、マスターに調理してもらって、
みんなで食べようよ。
お姉ちゃんに渡しとくから、マスターによろしくね」 |
<以上、綾香の回想>
|
|
鳴島
「というわけなんですよぉ!!」 |
|
光一
「いや、待て!!
その回想のドコに私が殺される要因があるかね?」 |
|
鳴島
「それは……ほら、これ……」 |
|
|
光一
「何、この炭?」 |
|
鳴島
「…………元・マツタケ様…………」 |
|
光一
「いや……炭になってるけど……」 |
|
鳴島
「ほら……マツタケですからね。
火であぶってみたんですよねぇ。
そうしたら、炎を上げて…………
慌てて水をかけたんですけど、炭化していましたねぇ」 |
|
光一
「で、何で私が清香君に殺されるのかね?」 |
|
鳴島
「だってぇ、清香はマスターが料理したものだと思うはず。
で、さっき清香に『マスターがマツタケ料理中』って
そういう趣旨のメールを送っておいたのでぇ」 |
|
光一
「完全な濡れ衣じゃないかね!!
っていうか、君はマツタケを炭化するのみならず、
何で私に罪を着せる工作までしているのかね!?」 |
|
鳴島
「清香……オコル、コワイ…………
怒られたくないですしぃ…………」 |
|
光一
「私は怒り心頭ですけどね?
というか、何でマツタケを炭化させてるんだね!!
ウチの嫁か、君は!!」 |
|
清香
「お疲れ様です。
今からバイト入りまーす」 |
|
光一
「あ、お、お、お疲れ!!」 |
|
鳴島
「うん、お疲れさん!!」 |
|
清香
「?????
あ、そうだお姉ちゃん」 |
|
鳴島
「な、何かな!?」 |
|
清香
「マツタケの事なんだけどさー」 |
|
鳴島
「あ、あれは……ほら、ここに置いてある炭!
マスターが失敗して焦がしてしまったのだ!」 |
|
光一
「あ、汚ねえ!!」 |
|
清香
「……………………」 |
|
光一
「違う! これは濡れ衣なんだ!
断じてマツタケ様などに触ってもいない!!」 |
|
鳴島
「違うよ!!
焦がしたのマスターだよ、マスター!
断じて私が勝手に調理して焦がしたわけじゃ!」 |
|
鳴島
「ああ、あれさあ。
韓国産の500円で買ったマツタケだから、
まあ、気にしなくていいよ」 |
|
光一
「へ、……韓国産?」 |
|
鳴島
「あ、そうなの♪
良かったー!!
実はアレ、私が焦がしちゃったんだ♪
火って扱い難しいねえ♪」 |
|
清香
「なんて言うとでも思ったか―!!
1本1万したわ、あのマツタケ様は!!」 |
|
鳴島
「むぎゃぁぁぁぁ!?」 |
|
清香
「さあ、お姉ちゃん。
ちょっと店の裏にでも行こうか?
ちょっとお話しましょうね?」 |
|
鳴島
「い、いやいや、いや!!
マスター、助けてくださぁぁぁぁぁ」 |
|
光一
「自分でつけた火は自分で消火したまえ。
がんばれー♪」 |