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光一
「そういえば君達」 |
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鳴島
「なんですかぁ?」 |
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清香
「なんでしょう?」 |
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光一
「先日は私の21歳の誕生日だったんだけど、
何も無かったのはどうしてかな?」 |
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鳴島
「誰が21歳の誕生日ですかぁ?」 |
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清香
「ここに21歳の人なんていませんよ?」 |
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光一
「私だよ、ワ・タ・シ!!」 |
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鳴島
「マスター…………
年齢を一回りも詐称って」 |
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清香
「33歳が21歳はムリがあります」 |
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光一
「10進法じゃなくて、
16進法なら私は21歳なの!!」 |
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鳴島
「またそういう屁理屈を…………」 |
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光一
「で、誕生日を迎えた私に何かないのかね?」 |
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清香
「そう言われましても…………」 |
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鳴島
「何も用意してないですねぇ♪」 |
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光一
「笑顔で!?」 |
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鳴島
「お嫁さんに何かしてもらったんですよねぇ?」 |
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光一
「うん、ソウデスネー」 |
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清香
「何故、遠い目?」 |
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光一
「外食はしたよ」 |
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鳴島
「良かったじゃないですかぁ」 |
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清香
「マスターにも、
マスターの誕生日を祝ってくれる人がいたんですね」 |
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光一
「何!? その…………
『私さびしい人です』みたいな言い方?」 |
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鳴島
「だったらもういいじゃないですかぁ」 |
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光一
「うん。まあ、私…………
『自分で自分に「おめでとう」』って言ったけどね」 |
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清香
「は?」 |
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光一
「だから、自分で自分の誕生日を祝った」 |
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鳴島
「どういう意味ですかぁ?」 |
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光一
「いや、そのままの意味だけど。
詳しく説明すると、むなしくなるんだが……
あ、会計も私持ちか!!」 |
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鳴島
「お嫁さんに祝ってもらえなかったんですかぁ?
だって、一緒に外食したんですよねぇ?」 |
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光一
「『一緒に外食した』事実はあるけど、
そこまでの過程が…………」 |
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清香
「つまりは…………
『1.ウチでご飯作るの面倒くさい』
『2.外食しよう』
『3.あ、今日誕生日だったね』
という事だったんですね」 |
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光一
「うん、ご明察」 |
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鳴島
「うわぁ…………」 |
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清香
「マスターの記念日は、
自分の心の中だけのものだったんですね」 |
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光一
「そう言われると、すっごい傷つくわ……」 |
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鳴島
「で、結局何も無かったんですかぁ」 |
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光一
「いや、さすがにプレゼントは貰えた」 |
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清香
「じゃあ、良かったじゃないですかぁ」 |
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光一
「ジャージを貰った」 |
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鳴島
「…………………」 |
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清香
「また微妙なラインナップ」 |