12/13(月)
釣りと乙女心
光一
「しかし、さっぱりわからん」鳴島
「何がですかぁー?」光一
「釣り人は、
何が楽しくてこんな寒空の下、
じーっとして釣り糸垂れているんだ?」鳴島
「マスターも、今やってるじゃないですかぁ」光一
「君が、
『マスターだけ釣堀行ってたなんて、
ズルイですぅ!!』
って駄々こねたからだ」鳴島
「まあまあ、
たまにはこーして、
のんびり釣り糸垂らしているのに
意味があるんじゃないんですかぁ?」光一
「むぅ……そうかもしれんが。
もう一時間だぞ!!
こんな全く釣れもせん。
それどころか、引っかかりもせん釣堀など、
ただ寒いだけで面白くない!!」鳴島
「釣れなくても、
こーしていることに意味があるんですよぉ♪
釣れた釣れないは結果論。
そんなの関係なしに、
こーして時間を共有するのが大切なんですよぉ♪」光一
「……綾香君の言っていることが、
えらくマトモに聞こえる……。
幻聴か……?」鳴島
「なんとでもおっしゃってください♪
今日の私は機嫌がいいので、
何事にも動じませんよぉ♪」光一
「そんなもんかねえ……」鳴島
「そんなもんです」
ピクン……
光一
「うお!!
魚が食いつい……」
バシャアァァ!!
光一
「おお!!
釣れた釣れたよ!!」鳴島
「わぁー、
おめでとうございますぅ♪」光一
「ま、マグレだろ。
どーせ、これっき……」
ピク……
鳴島
「マスター!!
引いてますよぉ!!」光一
「あ、う、うむ!!」
ザバァァン!!
光一
「二匹目!!」
で、さらに小一時間経過
光一
「これで五匹目!!
ほお……
釣り人の気持ちがわかってきたぞ♪」鳴島
「…………」光一
「ふぅむ……。
釣りというのも意外に楽しいではないか。
これが、魚との会話ということか……。
この緊迫感がたまらん!!」鳴島
「…………」
ピク……ザバァァ!!
光一
「また……。
これで六匹目!!」鳴島
「…………」光一
「あ、そーいえば、
綾香君はまだかかってないねえ?」鳴島
「…………」光一
「まあ、釣れても釣れなくても、
そこの食堂で魚は食えるし、
良しとしよーじゃないか♪」鳴島
「…………」
ピク……
光一
「お、
またかかったー!!」鳴島
「うるさーい!!」
ドン!!
光一
「うお!?」
ザバーン!!
光一
「わっぷわっぷ!!
水が水がぁ!!
寒い寒い!!」鳴島
「マスターのバカァ!!」光一
「ひいぃぃぃ!!
竿で押すな!!
って、エサをこっちに撒くな……
ぎゃぁぁ!!
魚が寄ってきてキモチ悪!!」鳴島
「マスターなんて、
魚に食われて、
凍えて凍っちゃえー!!」
ダダダァァァァ!!
光一
「綾香君!!
助けてくれぇー……
置いて行かないd……
ガボガボガボォ……」
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