鳴島
「マスター！！
マスター！！ 大変ですぅ！！」光一
「なんだね、騒がしい。
廊下は走らないようにとあれほど……」鳴島
「でもでもぉ！！
こんなハガキが着てたんですよぉ！！」光一
「どれ……なになに……」
最終通告
あなたの利用したサイト使用料が振り込まれていません。
（中略）
振り込まれない場合は、
職場・自宅へ債権回収人を派遣し、
（中略）
鳴島
「こ、怖いですよぉ！！
なんですか、これぇ……」光一
「で、振り込んできたの？」鳴島
「ま、まだ振り込んでませんけどぉ」光一
「ふーん」
ビリビリビリ
鳴島
「ちょ、マスター！！
何してるんですか？」光一
「何って……破いているんだよ」鳴島
「そ、そんなことして平気なんですかぁ？」光一
「綾香君。
ネットでアダルトサイトのぞいたりした？」鳴島
「ふえっ？
そんなことしたことないですよぉ」光一
「じゃあ、大丈夫。
これ、詐欺だよ。
よくあるネット詐欺。無視が一番」鳴島
「ふえ？
督促状じゃないんですかぁ？」光一
「何の督促状なのだね？
そう。相手にしない方がいいよ」鳴島
「ふぇー……そうですかぁ。
安心しましたぁ」光一
「第一、法律上あり得ないことが書いてある。
次から来ても相手にしないことだよ」鳴島
「はい♪
ところでぇ、もう一通着ていたんですけどぉ」光一
「何のハガキだい？」鳴島
「こんなのですがぁ……」
陽ノ下光一先生へ
先生、お久しぶりです。
その節は色々お世話になりました。
あのときのお礼代わりといってはなんですが、
久々に二人で食事をしませんか？
連絡待っています♪
光一
「あ、これは！
こら、綾香君。
ハガキをよこしなさい！！」鳴島
「これは何のハガキですかぁ？」光一
「単なる昔の知人だ！！
何でもないからよこしなさい！！」鳴島
「先生って書いてありますけどぉ……
どういった方からのハガキなんですかぁ？」光一
「む、昔の単なる教え子だ！！」鳴島
「一緒にお食事？
それと、名前が女性の方のようですがぁ？」光一
「あ、綾香君。
目が笑ってないぞ？」鳴島
「そんなことないですよぉ♪」光一
「た、単なる教え子以上の関係はない！！
ほ、本当に久々に会おうってだけだ！！」鳴島
「本当ですかぁ？」光一
「信じろ、な。
だから、ハガキをこちらに」鳴島
「『ちゃんと話し合いたいんです』
と追記がありますよぉ？」光一
「し、知らん！！ 知らん！！」鳴島
「マスター、ちょっとこっち来てください♪」光一
「う、うわ……ひ、引っ張るな。
な、何をｓ……」
ドスッ！！
ドサッ
鳴島
「このハガキも必要なしっと♪」
ビリビリビリ！！
