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光一
「うー…………
最近、本当に寒くなったなあ」 |
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鳴島
「ですねぇ」 |
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光一
「私は暑がりなので、
夏よりは冬の方が過ごしやすいけどね」 |
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鳴島
「私は夏の方が好きですけどねぇ」 |
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光一
「そうかい?
うーん…………
でもさ、夏の方が過ごしにくいじゃない」 |
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鳴島
「まぁ、
確かにそれは一理ありますけどねぇ」 |
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光一
「冬は寒いといっても、
重ね着したり、布団を増やせばいい。
でも、夏はどうしようもないしな」 |
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鳴島
「脱ぐのも限界ありますしねえ」 |
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光一
「いくら暑いからって
裸でいるわけにもいかないし、
裸だって暑いことは暑い……」 |
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鳴島
「でもぉ、
私はそれでも夏の方が好きかなぁ」 |
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光一
「なんで?」 |
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鳴島
「暑いから海とかプールで遊べるし、
遊びに行くのにはやっぱ夏ですよ!」 |
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光一
「まあ、そうなんだよねえ。
冬よりも夏の方が良いところ……
結構あるんだよねえ」 |
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鳴島
「そうですよぉー♪」 |
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光一
「夏は暑くて汗でベトベトになるけど、
おかげで女性の肌のライン見えるし」 |
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鳴島
「え!?」 |
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光一
「下着だって見えるもんなあ。
海に行けば、
女性の裸見放題だし……
冬にはそれ、ないもんなあ」 |
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鳴島
「えー…………」 |
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光一
「女性の身体を見放題って意味では、
冬よりも夏がいいよなあ……
確かに綾香君の言うことも一理ある」 |
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鳴島
「私、そういう意味では……」 |
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光一
「そっか…………
女性の綾香君は夏が好き。
つまり、女性は夏が好き!
つまるところ、
女性は夏に身体を見せるのが好き!
そうか……なるほどねえ」 |
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鳴島
「何でそうなるんですかぁ!?
一人で勝手に気持ちの悪い解釈
しないでくださいよぉ…………」 |
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光一
「え?
だって女性って夏にさ
人前で身体を晒すのが好きなんでしょ?」 |
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鳴島
「どうしてそうなるんですかぁ?
それじゃあまるで、痴女ですよぉ」 |
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光一
「夏が近づくとさ、
やたらと身体のラインとか意識したり、
自分の身体がどう見えるか気にしだすじゃない」 |
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鳴島
「それは単に、
薄着になるから気になるだけですよぉ」 |
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光一
「そうなのかねー……
深層心理では、
裸を男性に見られたいなー……
とか思ってるんじゃないの?」 |
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鳴島
「マスター…………
それ、セクハラ……」 |
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光一
「どこが?」 |
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鳴島
「もっと自覚を持ちましょうよぉー」 |
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光一
「そう言われても、
今まで一度も
セクハラで訴えられたことないしねえ。
ゆえに、私はセクハラしたことないので、
その辺りの感覚がよく分からんね」 |
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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「なんだね?」 |
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鳴島
「今日の日記にあること、
本当に言ったことあるんですかぁ?」 |
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光一
「何をだね?」 |
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鳴島
「大学時代、女友達に、
『君、生娘なの?』って聞いたとかぁ」 |
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光一
「あ?
もちろん、聞いたよ」 |
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鳴島
「マスター…………
生娘の意味はぁ?」 |
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光一
「いくつかあるけど、
『処女』ってイメージが強いよね」 |
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鳴島
「それで充分セクハラですよぉ……」 |
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光一
「しかし、
相手には訴えられなかったぞ!
セクハラって申告罪だろ?
訴えられなければ、非セクハラ!」 |
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鳴島
「相手が単に優しいだけですよぉ。
自覚を持ちましょうよぉ……」 |
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光一
「ちなみに、
今付き合っている彼女にも聞いたよ」 |
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鳴島
「何を?」 |
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光一
「『君、処女?』って」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「あ、そういえば、
綾香君、まだ処女だっけ?」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「ん? どうしたのかね?」 |
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鳴島
「マスター…………」 |
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光一
「なに?」 |
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鳴島
「ちょっと用事を思い出したのでぇ、
近所の交番に行ってきて良いですかぁ?」 |