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鳴島
「にゃんにゃかにゃー、
にゃんにゃかにゃー、
にゃにゃにゃにゃにゃー♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「にゃにゃにゃー、
にゃにゃにゃー
にゃにゃにゃにゃにゃにゃっ!」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「にゃんにゃかにゃー、
にゃんにゃかにゃー、
にゃにゃにゃにゃにゃー♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「にゃにゃにゃー、
にゃにゃにゃー
……うわぁきゃぁ!?」 |
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光一
「さっきから奇声が聞こえると思ったら、
何を口ずさんでいたのかね?」 |
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鳴島
「驚いたなぁ…………
後ろに黙って立っているの
止めて下さいよぉ……」 |
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光一
「いやー…………
何かの呪いの儀式だったら、
途中で声かけるのも怖いかなと……」 |
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鳴島
「そんなんじゃないですぅ!!」 |
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光一
「いやー…………
傍から見たら、
呪いの儀式か、
あるいは頭の可哀想な娘だよ?」 |
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鳴島
「私、頭悪くないもん!!」 |
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光一
「先ほどまでの行動から、
そう言える自信がどうしてあるのか……」 |
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鳴島
「まったくぅ…………
マスターは夢がないですよねぇ」 |
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光一
「夢はともかくとして、
奇声を嬉々としてあげる動機は
いまいち分からんねえ……」 |
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鳴島
「奇声じゃないもん!!」 |
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光一
「おや?
ケーキではないかね?
どうしたのかね、ケーキなど?」 |
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鳴島
「ほぇ?」 |
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光一
「誰かの誕生日などあったかなあ……」 |
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鳴島
「えー、
今日はあの日じゃないですかぁ!」 |
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光一
「アノ日?」 |
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鳴島
「そうですよぉ!!」 |
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光一
「あー、アノ日か!!
はいはい!!」 |
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鳴島
「分かりましたぁ?」 |
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光一
「君が何年か前に、
初めて生理を迎えた日なのかね!
だったら赤飯じゃないのかね?」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「事前に言ってくれれば、
赤飯買ってきたのにねえ」 |
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鳴島
「違いますぅ!!」 |
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光一
「えー…………
では何なのかね?」 |
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鳴島
「今日、12月24日ですよぉ?
クリスマス・イヴじゃないですかぁ。
明日はクリスマスですしぃ」 |
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光一
「ナニその日?
美味しいの?
単なる平日で、仕事日ですよ?」 |
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鳴島
「そりゃそうですけどぉ……
気分くらい楽しみましょうよぉ……」 |
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光一
「だって私クリスチャンじゃないし……
仕事しているのに、何時何を楽しむのかね?」 |
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鳴島
「だから気分だけでもって……」 |
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光一
「それに、あのクリスマスのイメージ。
赤い服のサンタとか…………
あれ、アメリカのコカコーラ社が、
ヨーロッパでビジネスやるために
作ったイメージだよ?」 |
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鳴島
「えー……でもぉ……」 |
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光一
「いいかい?
ヨーロッパのキリスト教徒たちは、
あの商業的アメリカ的クリスマスに反対したし、
戦後焼身自殺する神父までいたんだよ?」 |
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鳴島
「でもぉ…………
せっかくのお祭りですしぃ……」 |
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光一
「焼身自殺した神父みたいに、
この傾向を嘆かわしいと思う
キリスト教徒もいるのに、
キリスト教徒でもない日本人が、
こんなバカ騒ぎをするとはねえ……」 |
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鳴島
「マスター?」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「仮にですよ、24日か25日が
彼女さん・マスター共々休みだったら
…………どうしますかぁ?」 |
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光一
「綾香君、それは愚問だよ。
私とて日本男児だ。
決まっているではないか」 |
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鳴島
「ほぉ?」 |
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光一
「まず、甘いもの好きの私は
ケーキを迷わず買うね!!
それに鶏肉も好きなので、
ローストチキンも買ってこよう!
レストランにディナーの予約もいいかもね!
気分転換に、部屋の模様替えも……
イルミネーションも面白いかもね!」 |
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鳴島
「……………………
…………マスター?」 |
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光一
「なにかね?」 |
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鳴島
「クリスマス否定する割には、
やる気満々じゃないですかぁ?」 |
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光一
「そうなのかね?
たまたまチョイスした食材が
ケーキや七面鳥等であるだけだが?」 |
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鳴島
「そういうのを世間では
ひがみとか言うんですよぉ?」 |