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光一
「ふ〜……今年も年の瀬だねえ」 |
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鳴島
「2010年もあっという間に終わりましたねぇ」 |
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清香
「お姉ちゃんの20代も残すところ2年か〜」 |
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鳴島
「どっから出てきたのよぉ!?
学校は、学校!!
って、何で私の歳の話になるわけ!?」 |
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清香
「だって、高校は冬休み入ったもの」 |
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光一
「冬休みか〜……懐かしいなあ、羨ましいなあ」 |
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鳴島
「ですねぇ……まとまった連休があるのって羨ましい。
学生さんが羨ましいなぁ…………」 |
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清香
「何言ってるの!
お姉ちゃんだってかつては通った道でしょ」 |
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鳴島
「そりゃそうなんだけどさぁ…………
失うと分かるんだよ、その長期休暇の大切さ」 |
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光一
「社会人になるとないもんなあ…………
1ヶ月丸々休みとか。
大学なんて、夏休み2ヶ月以上あったもんなあ……」 |
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鳴島
「まとまった休みがあった頃は、
ホント色々できましたよねぇ♪
私、高校出てすぐ働き出してるけど……」 |
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清香
「長期休暇があっても、
使い方次第で無駄になっちゃうけどねえ」 |
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光一
「…………今思い返すと、
あの頃に戻ってやり直したいねえ。
もっと有効に時間を使えたのになあ」 |
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鳴島
「時間は戻せないですからねぇ…………」 |
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清香
「戻ってやり直しても…………
その10年くらい先にはまた同じ事言ってるような気が」 |
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光一
「う……………………」 |
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鳴島
「まぁー…………そんな気もするような…………」 |
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清香
「きっと今ですよ。今。
まさに今、その10年先だか20年先だかから
戻ってきたところなんですよ。
やり直したいじゃなくて、やり直しましょうよ、今」 |
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光一
「まさにその通りかもねえ」 |
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鳴島
「今ならまだ、色々取り戻せるかもしれないし……」 |
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光一
「ところで、サイトバレした事実は…………
今頑張って取り戻せるものかね?」 |
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鳴島
「それはぁ…………」 |
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清香
「既成事実は残念ながら……ムリかと…………」 |
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光一
「まだ仕事関係でサイトバレした範囲、狭い感じだけどさ
これが広がって行ったらと思うと…………」 |
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鳴島
「恐ろしい!!」 |
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清香
「私も自分のブログがお姉ちゃんにバレたら、
何をされるか分かりませんし…………
本当にバレる恐怖にさらされながら、更新。
分かる気がしますねえ…………」 |
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鳴島
「って、何!?
私にバレたら困る清香のブログって何!?」 |
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清香
「おっといけない…………
つい口が滑っちゃった」 |
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鳴島
「つい……じゃないでしょ!?
ていうか、私の事書いているんじゃないよねぇ!?」 |
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清香
「ブログ? 何の事か分からないんだけど?」 |
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光一
「人間とは……隠し事をして生きているものだからねえ。
ホント、周囲にバレて不都合な真実はあるものだよねえ」 |
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鳴島
「私なんかは隠し事なんて無いですけどねぇ♪」 |
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光一
「君の場合は、単に能天気なだけだろ?」 |
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鳴島
「なんですってぇー!?
それより清香……さっきのブログって何よ〜?」 |
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清香
「あ、そういやそうだ!!」 |
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光一
「ん? この割れビンどうしたの?」 |
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清香
「あー、さっき店のゴミ置き場から持ってきたんですが」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「あれ?
これどこかで見た記憶があるんだけど……」 |
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清香
「何のビンか分からないんですけど、
どうしてさっき、こっそり捨ててたのかな?
ねえ、お姉ちゃん?」 |
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鳴島
「ふえっ!?」 |
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光一
「あれ?
これ店の酒じゃないの!?」 |
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清香
「あ、そうなんですかー?
どうしてお姉ちゃんは…………
そんなビンを捨ててたんですかねえ?」 |
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鳴島
「あ、あ、あうあう……それはぁ…………」 |
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光一
「綾香君…………
また店の備品を壊して…………
密かに処分しようとしていたねえ?」 |
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鳴島
「い、いや、別に隠したつもりはないんですよ?
ほ、ほら。割れたから捨てなきゃなー……と?」 |
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光一
「まず、何で私に報告が上がってないのかねえ?」 |
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鳴島
「いや、それは……その……その……」 |
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清香
「あちゃー……お姉ちゃん大変だ―」 |
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鳴島
「ぐぅっ……清香ー!!」 |
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光一
「綾香君、話はたっぷり聞かせてもらうからね」 |
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鳴島
「あ、あ……うぅ…………」 |