鳴島
「にゃはははは！！
マスターったらドジですねぇ♪」光一
「うるさい！！
君にだけは言われたくない！」鳴島
「何と言われても、
ドジなものはドジですよう！」光一
「ぬぅぅぅぅ…………」鳴島
「ぷ…………」鳴島
「にゃははははは！！」光一
「いい加減しつこい！！」
ゴン
鳴島
「ふみゃぅ！？」光一
「たく…………
人の失敗を笑いおって……」鳴島
「ふぇ…………」光一
「ふぇ？」鳴島
「ふぇぇぇぇぇ！！
グーで殴ったぁ！！」光一
「しつこく笑い続けているからだ！
私にとっては良い事ではないのに」鳴島
「ふぇぇぇぇぇぇぇ！」光一
「…………おーい、
そろそろ泣き止みたまえ。
近所迷………」鳴島
「ぶぇぇぇぇぇぇぇぇん！！」光一
「あー、もう！！
これはこれでうるさい！！」鳴島
「うええぇぇぇ！！」光一
「おーい…………
悪かった。やりすぎた」鳴島
「ヒック……ヒック……」光一
「私が悪かったから。
ほら、泣き止みたまえ」鳴島
「ぶー！！」光一
「『ぶー！！』って、
君は『サザエさん』のイクラちゃんか？」鳴島
「謝罪に誠意が感じられません」光一
「あー、分かったよ。
すいません！
殴ったのは悪かった！」鳴島
「まだ足りないですねぇ……
地面に頭をこすり付けるくらいはぁ……」光一
「すいませんでした！」鳴島
「まぁ、いいでしょう」光一
「くそっ…………
何で土下座までさせられなければ……」鳴島
「何か言いましたかぁ？」光一
「いえ！
な〜んにも！」鳴島
「まあ、それはそうとして」光一
「私が土下座させられたことは、
そんな軽い扱いかねえ……」鳴島
「思わぬところでミス……
はあるものですねぇ」光一
「しかも、流されるとは…………」鳴島
「何か？」光一
「いや、別に」鳴島
「テスト監督に行って、
『テスト配ります』って言うトコを、
『テスト返します』って……」光一
「おかげで生徒に大笑いされた……」鳴島
「自分が授業を持ってないクラスだったのが、
不幸中の幸いでしたねぇ」光一
「まったくだよ。
自分の授業担当クラスだったら、
『テストの時の先生の失言』
としてしばらくネタにされるよ……」鳴島
「普段の授業とかならともかく、
単にテストを配ってやらせるだけの
テスト監督で、
失敗してしまうとはぁ……」光一
「まあ、人間の失敗など、
意外なところに出るわけで、
まさか……こんな単純な仕事で
失敗するとは夢にもねえ……」鳴島
「何事も油断大敵ですねぇ」光一
「油断していたわけではないが……
しかしねぇ…………」鳴島
「これからテストって時に、
いきなり『テスト返す』なんて言われて、
生徒さんたちもさぞかし驚いたでしょうねぇ」光一
「自分の発言に
誰よりも驚いて動揺したのは
この私自身だよ…………」鳴島
「確かに…………
そりゃそうですよねぇ」
