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光一
「前回さあ、勤務先の女子高生に
『男から何を貰ったら嬉しい?』
って聞いた話をしたじゃない」 |
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鳴島
「そうしたら生徒さんが
『お金が欲しい!』
って答えたやつですねぇ」 |
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光一
「あの話をしてからさ、
その数日前の出来事
思い出しちゃったんだよね」 |
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鳴島
「数日前の出来事?」 |
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光一
「私にしょっちゅう絡んでくる
女生徒がいるって話したじゃない」 |
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鳴島
「あー…………
過去数回出てきている
女生徒Aさんですねぇ」 |
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光一
「私とI先生の仁義なき闘争
『青シャツ戦争』
とか…………
『光一先生はエロティック論争』
などの論議に必ず出てきた娘」 |
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鳴島
「その闘争を煽っていますよねぇ」 |
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光一
「まあ、今でもよく煽ってくるんだが……」 |
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鳴島
「で、その女生徒Aさんがぁ
また何かをしてきたと?」 |
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光一
「そうなんだよね。
それを前回の話の後で思い出しちゃった」 |
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鳴島
「で、どんな話なんですかぁ?」 |
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光一
「Aはよく放課後質問に来たり、
他愛のない話をしてるんだが……」 |
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鳴島
「ほぉほぉ」 |
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光一
「まあ、つい先日も
テスト範囲の質問に来ているしな」 |
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鳴島
「お、それは良かったですねぇ」 |
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光一
「うむ。
そこら辺は教員として嬉しいのだよ」 |
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鳴島
「で、それで何か問題がぁ?」 |
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光一
「うーんとね…………
Aは恐らく今年の1年生で一番頭が良い」 |
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鳴島
「ほぉ?」 |
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光一
「世界史に関して言えば、
私は1〜3年生まで全学年持っているが、
一番飲み込みが良いし、教え甲斐もある」 |
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鳴島
「お、そりゃあ良かったですねぇ♪」 |
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光一
「世界史に限らず、
他の教科でも同様、優秀。
英語はずば抜けて優秀」 |
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鳴島
「おー!!」 |
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光一
「快活だし、
何も言うことはない生徒なんだよ。
イベントは積極的に動くし、
勉強も自主的にするし……」 |
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鳴島
「あれ?
じゃあ、特に問題なんて……」 |
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光一
「まあ、私とI先生を煽ったり、
色々あるが…………
それは何だかんだ私も楽しんでるし、
やることは大体プラス方向になる」 |
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鳴島
「へぇー。
じゃあ、結構カワイイ生徒さんですねぇ」 |
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光一
「まあ、そうだな。
私が持っている生徒の中でも、
一番可愛い。あらゆる意味で」 |
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鳴島
「じゃあ、何が問題ですかぁ?」 |
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光一
「まあ、他愛のない話ではあるが……
先日放課後に質問に来たのよ」 |
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鳴島
「ふむふむ」 |
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光一
「で、質問に答えていた際にね、
『今度の期末でも100点取ったら
何かちょーだい!』
って言ってきたの」 |
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鳴島
「あらあら、ゲンキンですねぇ」 |
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光一
「今までの3回のテストで100点2回。
前回は、私の持っている世界史の本欲しい
と言ってきたから、
『じゃあ、クラスのみんなで見て』
と言ってあげたわけ」 |
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鳴島
「へぇ。100点を3回中2回!?
すごいですねぇ!!」 |
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光一
「でも、本は私もあまり手放したくないから、
『本はちょっとなあ』
と言ったところ…………」 |
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鳴島
「言ったところ?」 |
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光一
「『じゃあ先生。
お金ちょうだい!』
って言ってきたぞ」 |
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鳴島
「うわちゃぁ!?」 |
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光一
「前回の話でさ、
女子高生が
『プレゼント=お金が欲しい』
って言ってたヤツで、
この件を思い出したってわけよ」 |
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鳴島
「あらぁ…………
本当にゲンキンですねぇ、
今の女子高生…………」 |
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鳴島
「で、本当にお金あげるんですかぁ?」 |
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光一
「なわけないでしょ!
そんなの犯罪だよ、犯罪!!」 |
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鳴島
「ですよねぇ」 |
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光一
「放課後に来たとき、
昼飯のパンが余っていた際には
あげているんだが、
まあ、パンをプレゼントしてやろう
という事にしておいたよ」 |
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鳴島
「まぁ、それなら大丈夫ですね♪」 |
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光一
「まあ、そもそもが100円のパンで
『よっしゃー!』って
喜んでいるんだから、
ゲンキンっても、可愛いわなあ」 |
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鳴島
「それもそうですねぇ♪」 |