1/4(火)
お年玉はないんですかぁ?
光一
「さてさて……綾香君。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしく」鳴島
「こちらこそ、
本年もよろしくお願いいたしますぅ♪」光一
「あと、当カフェのお客様方」鳴島
「今年も当カフェをよろしくお願いいたしますぅ♪」光一
「今日は、新たな同盟……
『全国ポニーテール萌え同盟』の結成日でもあり、
仕事始めの日でもあります」鳴島
「なにとぞご贔屓に♪」光一
「さて……こんな挨拶はどうでもいいけど……」鳴島
「にゃっ!?
お客様を前に何てことを!?」光一
「ん? ああ……ああ、間違えた。
形式ばった挨拶はこのくらいにして……
って言おうとしたんだっけ。
いかんねえ……正月休みでどうにもこうにも」鳴島
「変なのはいつものことですけどねぇ♪」光一
「……言うようになったねえ、君も」鳴島
「まあ、
マスターの変わったノリにも
それなりに慣れたということですぅ」光一
「いまいち釈然としないが……
まあ、いいか」鳴島
「ほぉう……ほぉうでふよぉ〜」
(訳:そう……そうですよぉ〜)光一
「口に物を入れたまま喋るんじゃありません!!
ちゃんと口の中を空にしなさい」鳴島
「だって、海老さんおいしいんですもん♪」光一
「伊勢海老ばかり食べていないで、
他のも食べなさい」鳴島
「だって〜♪」光一
「おせち料理はねえ、
縁起物で固めてあるんだよ?
海老だけ食べてどうするのかね?」鳴島
「例えば何ですかぁ?」光一
「綾香君が食べてばっかりいる海老は、
『長寿』の意味合いがある。
ヒゲと腰の曲がりを老人に見立てているのだな」鳴島
「ほうほう」光一
「昆布は言葉の連想だが、
『喜ぶ』という言葉を連想させる。
また、昔は昆布を『ひろめ』とも呼んだので、
世間に名が広まるからと、
『立身出世』を祈願している」鳴島
「じゃあ、昆布はマスターが食べてくださいね♪」光一
「私は昆布が嫌いだ。
君が食べたまえ」鳴島
「私も昆布嫌いだからいりません」光一
「店のオーナーとして業務命令!!
昆布は綾香君が食べる」鳴島
「ふにゃっ!?
横暴ですよぉ〜……」光一
「と、話が逸れてしまったが、
ごまめなどは、
昔は片口イワシを田んぼの肥料に使っていたから、
『豊作』の意味合いがある。
まあ、
基本的には『長寿』『出世』『豊作』を願って作られているのだ」鳴島
「へぇ〜……
一応ただ高いだけの料理ではなかったんですねえ」光一
「ただ高いだけって……
しかし、綾香君には、
白米・里芋・数の子を食べてほしい。
というか、
これも業務命令なので食べなさい!!」鳴島
「また業務命令ですかぁ……
でも、里芋と数の子は好きなので構いませんけどぉ……」光一
「好きか嫌いかはいい。
里芋と数の子を食べるんだ」鳴島
「ん〜、おいしい♪」光一
「美味いか不味いかはいい!!
とにかく食べるんだ!!」鳴島
「ん?
何でそんな力説するんですかぁ?
マスターは食べないんですかぁ?」光一
「私はいい。
君が食べなくては話しにならん」鳴島
「ん?」光一
「さて、おせちには他にも意味合いが込められている。
今、綾香君に食べさせた『里芋・数の子』がそれだが」鳴島
「どんな意味ですかぁ?」光一
「うむ。
まず『里芋』だが、
里芋は一つの苗から多くの芋が取れる。
そこから連想されるのは『子孫繁栄』とか『多産』」鳴島
「へぇ〜」光一
「『数の子』……はもう言わなくてもわかるかもだが、
たくさんの卵がつまってるだろ?
そのプチプチ……
君が噛み砕いて、
プチプチやってるソレね。」鳴島
「私、このプチプチ感が大好きなんですよぉ♪」光一
「その一回のプチで、
一体何匹虐殺しているのかな?
君は今、
たくさんの子供を大量虐殺中♪
まあ、ジェノサイドってるって感じかね?」鳴島
「…………!!」光一
「と、そのように子供を殺しまくっているんだが、
にもかかわらず意味合いは『子孫繁栄多産』
たくさんの卵から子供を連想するのだな」鳴島
「あ、あ〜……
マスターの言いたい事がわかりました」光一
「野球チーム作れるくらいが私の理想?
そこまでいらないけど、最低3人お願いね♪」鳴島
「いや、その……まだ結婚してない……」光一
「まあ、それはいいとして。
おせち料理は
色んな意味合いが込められているワケだ」鳴島
「なるほどぉ〜♪
さ〜て、お腹も膨れたことですしぃ♪」光一
「なんだね?」鳴島
「にゅふ〜ん♪」光一
「…………」鳴島
「にゃんにゃん♪」光一
「…………」鳴島
「マ〜スター」光一
「急に人の懐に顔を擦り付けてきたかと思えば……
なんだね、その手は?」鳴島
「お・と・し・だ・ま♪」光一
「…………
綾香君、頭出して」鳴島
「うにゅ?」
ドス!
鳴島
「ふにゃぁぁ!!
な、何するんですかぁ!?」光一
「何だではない!!
制裁チョップだ!!」鳴島
「ぅぅ〜……
女の子の頭叩くなんてヒドイですぅ!!」光一
「20歳を越えて、
なお『お・と・し・だ・ま』
ではない!!
何で普段給料を払ってる君に、
『お年玉』をやらねばならんのだね!!」鳴島
「ほらほら〜♪
それは『女の子』ですからぁ♪
って、ふみゃぁぁぁ……ふぁにふる……」
(訳:って、ふみゃぁぁぁ……何する……)光一
「そ・ん・な……
寝ぼけたことを言うのはこの口かね!?
引っ張るよ!! 引っ張るよ!!」鳴島
「ふぃ、ふぃっふぁふぇるふぁふぁいふぇふふぁぁ〜!!」
(訳:ひ、引っ張ってるじゃないですか〜!!)光一
「お年玉などと寝ぼけているからだ!!」鳴島
「寝ぼけた!?
ひ、ヒドイですぅ!!
どこから見ても女の子♪
お年玉をもらう権利があるはずですぅ!!」光一
「…………
女の子、女の子。
女の子。女の子。
女の子はお年玉もらえる……って言うじゃな〜い?
でも、16歳を越えて結婚できるのは、
『女の子』でなく『女』ですから!! 残念!!
大人の女斬り!!」鳴島
「あ♪
やっと大人の女として認めてくれましたぁ♪」光一
「その巨乳と子供が生める時点で大人だけど、
頭の中身は子供ですから、残念!!
バカの巨乳斬り!!」鳴島
「むぅ〜!!」光一
「ま、そんなワケなので、
お年玉はあげません。
頭の中身は中学生並なのに、残念ですね〜♪
ぷぷ〜……あ、イッケナ〜イ♪
お口にチャック♪」鳴島
「人の事をバカにして〜!!」光一
「あ、や、やめろ!!
話せばわかる!!」鳴島
「問答無用!!
伊勢海老の甲羅斬り!!」
ジョリジョリ!!
光一
「ひ、ヒギィィィィ!!
え、海老のヒゲとかジャリジャリが痛い!!
痛い!! よせー!!」鳴島
「ほらほら〜!!
痛いでしょう? 痛いですよねぇ?」光一
「ひいぃぃぃ!!
チクチク痛い!!
チクチクよせよぉ!!」鳴島
「ん?
反省しましたかぁ?」光一
「…………」鳴島
「よく聞こえませんよぉ?」光一
「…………
綾香君のおっぱいオバケ!!」鳴島
「…………」光一
「あ、あれ〜?
へ、部屋が寒いなあ……
あ、エアコンついてないのかなぁ?」
ギリギリギリ……
光一
「そ、それはやめたまえ!!
は、破魔矢を私怨に使ってはいけない……
な、話せば分かり合えるよ。
何故なら、こんなにも人は賢いからさ!!」鳴島
「えへへ〜♪
あ、手がすべったぁ!!」
ヒュン!!
サク!!
ドサッ……
鳴島
「新年早々人をバカにしたバツですぅ」
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