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光一
「はぁー…………」 |
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鳴島
「んぅ?」 |
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光一
「はぁぁぁぁ…………」 |
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清香
「ん?」 |
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光一
「ぁぁぁぁぁ…………」 |
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鳴島
「ちょっとちょっと、
マスター、どうしたんですかぁ?」 |
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光一
「あー、綾香君かね。
はあはあはあ…………」 |
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鳴島
「ちょっ…………
私を見て、はあはあ言わないでくださいよぉ!」 |
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清香
「巨乳好きのマスターだから、
お姉ちゃん見て欲情してるんじゃないの?」 |
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鳴島
「ホント、それもうセクハラそのものですよぉ!」 |
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光一
「べ、別に君を見て……はあはあ」 |
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鳴島
「いや、ちょっと気持ち悪いんですけど!?」 |
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光一
「君を見て……はあはあ言って……
はあはあはあはあ」
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鳴島
「私を見て興奮するの
止めてくださいよぉ!!」 |
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光一
「違う違う!!」 |
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鳴島
「セクハラですよぉ!
そうじゃなきゃ、なんなんですかぁ?」 |
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光一
「き、き……はあはあ……」 |
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清香
「これって…………」 |
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鳴島
「んぅ? 何か分かるの、清香?」 |
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清香
「まあ、見るからに」 |
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光一
「もうね、あれなのよ。
あれ、その…………禁断症状?」 |
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清香
「…………麻薬ですか?」 |
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鳴島
「ええぇー!!
大変!!
経営者逮捕で閉店じゃないのぉ!」 |
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清香
「取りあえず110番かけるとして……」 |
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鳴島
「明日からどこで働けばぁ…………
この就職難の時代に…………」 |
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光一
「ちょ、君達!!
全然違うわ!! はあはあ……」 |
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鳴島
「言葉に説得力が感じられませんがぁ」 |
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清香
「素直に出頭して
薬とはしっかり縁を切った方が良いですよ。
まだやり直せますから」 |
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鳴島
「そうそう。
私達も一緒に警察まで行ってあげますよぉ」 |
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光一
「全然ちが〜う!!
人を犯罪者にしないでくれたまえ!!」 |
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鳴島
「まぁ、分かってましたけどねぇ♪」 |
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清香
「さすがに麻薬に手を染める人ではないと
それくらいは思ってますよ」 |
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光一
「君達…………
苦しんでいる人間で遊ばないでくれたまえ」 |
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鳴島
「というかぁ、何を『はあはあ』言ってるんですかぁ?」 |
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光一
「ほら、私さ、年始からずっと体調不良でしょ?」 |
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鳴島
「あー…………
ずっと上と下の口から吐いてるんですよねぇ」 |
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清香
「あれから結局治ってないんですかぁ?」 |
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光一
「感染性胃腸炎は治ったようなんだが、
胃カメラ飲んだら……ストレスその他もあってか、
胃腸がボロボロ、出血してたりなんだり……」 |
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鳴島
「あー、それはぁ…………」 |
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光一
「正月から"おかゆ"三昧で……もう飽き飽き。
なのに、これ以降も長らく…………
消化に良い物食べるとか…………
刺激の無い食事とか、乳製品ダメとか……
私、食べる事が生き甲斐なのに…………」 |
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鳴島
「食べ歩きもしているくらいですからねぇ」 |
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光一
「冷蔵庫には年末の帰省時に、
蔵王で購入したチーズケーキもあるのに……
それを食べる事すら出来ない…………
おかげで毎日禁断症状だよ!!
好きなものが食べれず、冷蔵庫開け閉めする
そんな日々ですよ?」 |
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清香
「あー、それはなんとも…………」 |
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光一
「あー……せっかくの高級チーズケーキ……
食べられないまま賞味期限が来たら……」 |
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鳴島
「大丈夫!!
マスターがそんな酷い禁断症状でも、
全然問題無しですよぉ!!」 |
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光一
「どういう事かね?」 |
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鳴島
「チーズケーキは賞味期限が過ぎる前にぃ、
私と清香で美味しくいただきますからぁ♪」 |
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清香
「あ、それいいね♪
食べられなくなったらもったいないし!」 |
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光一
「ヒドイ!!
私の楽しみを何だと思ってるんだ!」 |
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鳴島
「だってぇ、今はドクターストップですよねぇ?
放っておいたらケーキ腐っちゃいますよぉ?」 |
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光一
「うぅぅぅぅぅ…………」 |
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鳴島
「というわけでぇ、
腐る前にチーズケーキは私と清香で……」 |
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清香
「ちゃんと片付けますので、
ご安心して、マスターは身体を治してくださいね」 |
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光一
「ぐぅぅぅぅ………………
胃がギリギリ痛む…………」 |
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鳴島
「ほら、マスター!!
ムリしちゃだめですよぉ!!」 |
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清香
「そうですよ。
身体を大事にしないと!」 |
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光一
「今、胃が痛いのは…………
明らかに目の前の蛮行が原因だと思うがね……」 |