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光一
「次の日曜日は××さんとデートして、
で、その次の日曜は○○さんとでしょ……
で、全員とプールに行くためには……」 |
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鳴島
「マスター…………
仕事中に、何ブツブツ言ってるんですかぁ?」 |
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光一
「ああ、いや、なんでもないですよ!」 |
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鳴島
「はぁ?」 |
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清香
「ん?
テーブルの上にメモがあるけど」 |
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光一
「ああ、それを見てはいかーん!」 |
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清香
「『日よう、森さんとデート』
……………………」 |
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鳴島
「……………………」 |
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清香
「マスター、これは何ですか?」 |
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鳴島
「マスター、奥さんいるのに…………
浮気ですかぁ、これは?」 |
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光一
「いや、全然違うからねっ!」 |
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鳴島
「そういえばさっき、ブツブツ言っていたのって、
毎週日曜日、誰か別の人とデートする約束?」 |
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清香
「何股もかけてデート、浮気とは…………
ここまで来ると清々しい程に、
最低ランクを走っていますね」 |
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光一
「違う、違うから。
話を聞きたまえ」 |
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鳴島
「女の敵から聞く話はありませんよぉ」 |
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清香
「マスターはそういう人ではないと、
一応信じていたんですが」 |
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光一
「いや、だから、よっく見たまえ。
ほら、このテレビに映った画面を」 |
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清香
「……………………」 |
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鳴島
「……………………」 |
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光一
「どうだね。こういうことだよ」 |
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鳴島
「ギャルゲーですかぁ?」 |
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清香
「三十路も半ばに差し掛かって、
ギャルゲーというのも」 |
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鳴島
「しかも、ゲームのデート予定を、
メモに残しておくというのも…………
リアルと二次元の区別ついていますかぁ?」 |
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光一
「これ、ギャルゲーじゃないから!!
戦争モノ・学園モノを合わせたゲームだからね!」 |
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鳴島
「はぁ…………」 |
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光一
「10代の少年少女達が、
戦争に駆り出されたという、
結構悲壮な世界での話なんだよ」 |
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清香
「なるほど。
あくまでギャルゲーではないと」 |
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光一
「シュミレーションに近いんじゃないかな。
授業に出て、訓練して、仕事をして戦争をする。
そのために部隊の仲間と親密になる。
それで部隊の運営をスムーズにするとか」 |
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鳴島
「まあ、浮気とはちょっと違いますかねえ」 |
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光一
「まあ、複数の異性キャラと…………
本命を設けて、他に3股・4股と、
ハーレムプレイするのは王道ですけどね」 |
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鳴島
「現実でやったら邪道ですよぉ!!」 |
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光一
「というわけで、今日から…………
『ガンパレード・マーチ』のプレイ日記を始めた。
もう14年も前の、初代プレステのゲームだけどね」 |
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清香
「ここのところ、
ずっとゲームプレイ日記ですね」 |
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光一
「まあね。
と、複数の異性と付き合っていたら」 |
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光一
「先日、『争奪戦』を起こされてしまったがね。
いやー、モテるって辛いよねえ。
複数の女性から迫られて、
関係がギクシャクするなんて♪」 |
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鳴島
「うわぁ、最低…………」 |
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光一
「そういうわけで、嫁さんにも釈明したけど、
私はリアルでは浮気していないからね。
私が浮気とかそういうのを積極的にするのは、
あくまで二次元での事だからね!」 |
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清香
「威張って言う事でもないような」 |
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光一
「というわけで、誤解は解いてもらえたかね」 |
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清香
「…………まあ」 |
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鳴島
「知った上でからかっていましたけどねぇ」 |
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光一
「はあっ!?」 |
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鳴島
「だって、現実のマスターは甲斐性無しですしぃ、
実際に浮気なんて出来るはずがないですから」 |
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清香
「現実でそこまでモテませんよね?
争奪戦なんて起こされたことないですよね?」 |
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光一
「何これ?
けなされているの?
ほめられているの?」 |