|
光一
「おはよう」 |
|
清香
「おはようございます」 |
|
鳴島
「マスター、マスター」 |
|
光一
「なんだね?」 |
|
鳴島
「昨日はバレンタインだったじゃないですかぁ♪
どうだったんですかぁ?」 |
|
清香
「ちょっと、お姉ちゃん」 |
|
鳴島
「なに、清香?」 |
|
清香
「マスターの日記を見ても、
わざわざスルーしているじゃない。
記念日に、ゲームプレイ日記だったんだよ?
触れちゃダメな事なのよ、きっと!」 |
|
鳴島
「あ、そっかー。
マスター、ゴメンなさーい♪」 |
|
光一
「君、ゴメンとか全く思ってないだろ?」 |
|
清香
「で、結果はどうだったんですか?
昨年はとうとう貰えたチョコ……0個でしたよね?」 |
|
光一
「それは…………
またおいおいという事でいいじゃないかね」 |
|
鳴島
「そう言えば昨年も、
バレンタインの結果報告がのびのびで、
結局3月3日に報告でしたもんねぇ」 |
|
清香
「で、現実世界でモテたこと、
マスターはおありなんですか?」 |
|
光一
「はい!?」 |
|
清香
「いや……毎年バレンタイン報告で、
彦根城の兜猫と競っていたりする、
非常に虚しい報告をしているじゃないですか」 |
|
光一
「清香君、君は今、
かなり酷い事を言ったよ?」 |
|
鳴島
「そういえば今書いているゲームプレイ日記でも、
ハーレムプレイとか言ってますよねぇ?」 |
|
清香
「前回から始まった、『ガンパレプレイ日記』ね」 |
|
鳴島
「現実問題、争奪戦なんて未経験のマスターがぁ、
二股・五股とか言っていますけど、
現実ではどうだったんですかぁ?」 |
|
光一
「五股どころか、十股以上の経験もあるよ」 |
|
鳴島
「へー」 |
|
光一
「信じてくれていない!?」 |
|
清香
「ゲームの話ですよね?」 |
|
光一
「『星の丘学園物語 学園祭』(初代PS)とか…………
『ときめきメモリアル』(PC版)とか…………
『センチメンタルグラフティ』(セガサターン)とか……
まあ、そうとも言うかもしれない」 |
|
鳴島
「そんな事だろうと思ってましたよぉ」 |
|
清香
「ぶっちゃけ話として、マスター。
これまでの30数年間の人生で、
告白された経験ってあるんですか?」 |
|
光一
「し、失礼だね、チミィ!!
ぼ、ボクにだってそんな経験の、
一つや二つや幾つかくらいはあるんだよ!」 |
|
鳴島
「あー、幼稚園の時に同級生に、
『将来結婚しようねー♪』とかぁ」 |
|
清香
「幼稚園の時に近所のお姉さんに、
『はいはい。将来お嫁さんになってあげるからね』
とか、そんな感じですよね?」 |
|
光一
「なんで幼児時代に限定されているの!?
それもあるけど、それだけじゃないからね!」 |
|
鳴島
「ホントかなぁ?」 |
|
清香
「お姉ちゃん。せっかくなんだから、
マスターの幻想を信じさせておいてあげよう」 |
|
光一
「君達、ホント失礼だなあ!!」 |
|
鳴島
「で、あるんですかぁ?
一応聞いてあげますよぉ?」 |
|
光一
「あるよ。高校の時の彼女は、
向こうからラブレターを送って来て、
それで3年間付き合ってたからね!」 |
|
鳴島
「ラブレター!?」 |
|
清香
「メールとかではなく!?」 |
|
光一
「私が学生の頃、
そもそも一般に携帯が普及してない。
あの頃は、手紙とかのやり取りが普通だったの」 |
|
鳴島
「はぁ…………何十年も生きていれば、
告白される事もあるんですねぇ」 |
|
清香
「まあ、マスターも一応妻帯者だから、
全くモテなかったわけでもないんじゃない?」 |
|
光一
「君たちは私をなんだと思ってるんだね」 |
|
鳴島
「いやー、ゲームの世界でモテようとするのって」 |
|
清香
「現実がそうじゃなかったから、
その反動というか……一種の投影として、
せめてゲームでモテようとしているのかと」 |
|
光一
「私はそこまで悲惨な人に見えるかね!?」 |
|
鳴島
「マスターがそう思ってないなら、
そうでいいじゃないですかぁ♪」 |
|
清香
「そうそう。
マスターの心持次第ですよ、全てが」 |
|
光一
「私を置いてけぼりにして、
綺麗にまとめたつもりかね!?」 |