  | 
      光一 
       
      「来週は……アレですね……とうとう。 
       
      うん、戦の日というの?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「何?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「何をカッコ良く言ってるんですかぁ?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「催促しているようにしか聞こえませんが」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ボ、ボ、ボクが何を催促するというの!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「『チ』で始まって…………」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「『ト』で終わる物ですよね?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「……………………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「もう、貰っても………… 
       
      食べて太るだけの年齢でしょうに」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「歳は関係ないだろう!?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「それにしても…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「何かね?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「いや…………2015年は、 
       
      3年ぶりに貰えてよかったですね」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「バレンタインチョコ、 
       
      リアルの奥さんから貰えたんですもんね。 
       
      昨年は♪ 3年ぶりに」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なんで3年ぶりを強調したの!?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「お昼ごはんと兼用で…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「見切り品(47円)を、 
       
      テーブルの上に置かれてただけでしたがぁ。 
       
      まあ、立派なバレンタインですよぉ♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「チョコが入っていれば、 
       
      なんでもバレンタインってわけじゃない…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「それはともかく………… 
       
      ひこにゃんと張り合うのは…………」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「さすがに止めたらどうですか?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「2009年からやっていますけどぉ、 
       
      年を追うごとに………… 
       
      痛々しくて見てられなくなってきましたぁ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「痛々しい!?」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「というか、かわいそうですね。 
       
      マスターが…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「かわいそう!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あちらは全国的な人気者。 
       
      それに比べたらマスターは…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「なに、ボクは?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「いや……ひこにゃんの人気に比べてしまうと、 
       
      せいぜい道端の草くらいの認知度しか」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「道端の草!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「あ、いや……言いすぎましたぁ」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「道端の草はどこにでもあるから、 
       
      全国的に認知度高いですし。 
       
      マスターは認知度がゼロに近いので、 
       
      そういう意味で比べられないかと」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「え? 
       
      あれ? 
       
      酷くなっていない?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「そういう細かいことを気にしていると、 
       
      モテませんよぉ♪」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「そう! モテる男は、 
       
      黙って語らずですよ」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「いや、それは私の反論を、 
       
      単に封殺するだけの事だよね?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「語れば語るほど、 
       
      かわいそうになるんで…………」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「何も語らない方がいいと言ってるんですが」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「ちょ、ちょっと待ちたまえ。 
       
      今回の記事のどこに、 
       
      そんな要素があったというのかね!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「まず………… 
       
      奥さんに2年間も貰っていなかったとか」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「そんな感じなのに、 
       
      ひこにゃんと張り合おうとか…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「すさまじい自虐精神ですよねぇ♪」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「私に自虐思考はないんだけど!?」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「で…………今年も張り合うんですかぁ? 
       
      ひこにゃんと、バレンタイン?」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「当たり前だ! 
       
      私は東日本の代表。 
       
      西日本のヤツを潰してやる!」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「今年も惨憺たる結果が待っているような」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「戦う前から負けが決まっているのに、 
       
      ケンカを挑むのは…………」 | 
    
    
        | 
      光一 
       
      「わわ、わ、分からないだろう!! 
       
      やってみるまで、結果は!」 | 
    
    
        | 
      清香 
       
      「いや…………」 | 
    
    
        | 
      鳴島 
       
      「こればかりは分かりますよぉ」 |