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鳴島
「おはようございますぅ♪」 |
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光一
「はい、おはよう」 |
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鳴島
「ほら、マスター。
ちょっと見てくださいよぉ!」 |
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光一
「ん?
何をかね?」 |
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鳴島
「あれですよぉ、あれ♪」 |
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光一
「あー、あれね」 |
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鳴島
「……………………
って、おーい」 |
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光一
「ん?
何かね?」 |
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鳴島
「何を見てらっしゃるんですかぁ?」 |
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光一
「え?
君が見ろって言ったんでしょ?」 |
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鳴島
「いやいや…………」 |
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光一
「見事な黒だね。
私は好きだけど?」 |
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鳴島
「そーじゃねえだろ!!」 |
ぐめきょ!
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光一
「ぐぶぅ!
ぐがぁぁぁ!!」 |
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鳴島
「何を見てるんですかぁ……」 |
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光一
「ぐぎゃぁぁ……
顔面を思いっきり……
ふ、ふみやがった……
は、鼻折れてないか、これ」 |
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鳴島
「何で人のパンツを……
スカートの下に顔突っ込んで……」 |
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光一
「見ろって言ったじゃんか!
触ってないだけマシだろ!
最近の20代はマジギレするからイヤだ!」 |
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鳴島
「エロオヤジ…………」 |
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光一
「あ、その意見には全面的に反論を。
私はまだ27歳だ!!」 |
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鳴島
「うるさいですよぉ……
単なるセクハラじゃないですかぁ」 |
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光一
「はいはい。
で、何を見ればいいのかね?」 |
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鳴島
「謝罪の言葉もなし!?」 |
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光一
「パンツ見るぐらい何が悪い。
減るものでもないし……」 |
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鳴島
「あー、開き直った!
最悪のセクハラですよぉ!」 |
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光一
「私はセクハラだと思ってない」 |
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鳴島
「セクハラは被害者の主観なんですけどぉ……」 |
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光一
「で、何を見ろと言うのかね?」 |
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鳴島
「あー、もういいや。
ほら、店のホールの窓ですよぉ」 |
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光一
「おー、ピカピカではないかね!」 |
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鳴島
「えへー♪」 |
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光一
「すごいねえ…………
最近の黄砂とか花粉とか……
諸々の影響もあってか……
窓結構汚れていたのに」 |
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鳴島
「頑張って窓を綺麗に拭きましたぁ♪」 |
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光一
「いやー…………
君もたまにはちゃんと働くんだね。
いや、よくやった。よくやった」 |
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鳴島
「なんか、
ちゃんと誉められていないような……」 |
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光一
「あー、はい。すまんすまん。
いや、本当によくやったよ!」 |
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鳴島
「えへへー♪」 |
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光一
「で、さて。
今日の仕事内容だが……
午後から予約のお客様が……」 |
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鳴島
「あれ?」 |
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光一
「ん?
どうしたかね?」 |
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鳴島
「え?
それだけですかぁ?」 |
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光一
「何がかね?」 |
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鳴島
「せっかくいつもよりも
綺麗に店の掃除したのにぃ……」 |
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光一
「だから誉めたじゃないか?」 |
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鳴島
「えー…………
言葉よりも別のモノの方がぁ……」 |
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光一
「……………………
具体的に何かね?」 |
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鳴島
「オカネオカネ!!
ボーナスボーナス!!」 |
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光一
「お金より気持ちという考えはないのか?
それ以上に、通常業務をきっちりこなしただけで、
何でボーナス?」 |
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鳴島
「マスターだってぇ、
なんだかんだお金にこだわるくせに……
けちんぼー!」 |