3/14(月)
ホワイトデー
鳴島
「うにゅーん…………
せっかくのホワイトデーなのにぃ……」光一
「あー、すまない。
ドイツ渡航の都合で、
今日からお店は休みだ」鳴島
「デートもなしですかぁ?」光一
「ごめんね。
バレンタインのお返しは、
帰国後にするからさあ」鳴島
「うみゅーん……
仕方ないですぅ……
無事に帰られるのを待ってますぅ」光一
「うん」鳴島
「ま、
4月4日に帰国されますしぃ、
7日からお店再開するんですからぁ、
3週間くらいですもんね♪」光一
「そう考えれば、
すぐに戻ってくるさ♪」鳴島
「うんうん。
そうですよねぇ♪」光一
「それに無事戻ってこないと……」鳴島
「とぉ?」光一
「んー…………
最近、近所の娘から、
クッキーとラブレター貰ったんだけど……」鳴島
「にゃ!?」光一
「それのお返しもできなくなるし……」鳴島
「あ……あ……あ……」光一
「うーん……
何かドイツ土産でも買ってくるか……
君は、どうしたら良いと思う?」鳴島
「ら、ららららららら…………」光一
「綾香君?」鳴島
「らぶれたぁー!?」光一
「うん。
貰ったのは高校以来だねえ……
約10年ぶりかなあ……」鳴島
「らららららら、ら…………」光一
「うーん……
何か買って来るべきだよねえ?
綾香君だったらどうする?」鳴島
「……………………」光一
「あ、あれ?
綾香君?」鳴島
「し・り・ま・せ・ん!!」光一
「え?
な、何怒ってるの?」鳴島
「怒ってなんていません!!」光一
「いや、怒ってるじゃん」鳴島
「怒ってないもん!!」光一
「あ……泣いてるの?」鳴島
「泣いてないもん!!」光一
「あ、綾香君にも買ってくるからさ。
ほら、機嫌直して。
ね、ね♪」鳴島
「『綾香君にも』?」光一
「そうそう。
君にも買ってくるからさ。
ドイツ土産♪」鳴島
「……………………」光一
「ん?」鳴島
「『君にも』?
…………『も』ですかぁ?」光一
「あ、うん。そうだよ♪
忘れずに買ってくるからさ」鳴島
「『私だけ』
……じゃないんですかぁ?」光一
「え?
そ、そうだけど?」鳴島
「……………………」光一
「え?
綾香君?」鳴島
「……………………」光一
「おーい?」鳴島
「マスターの…………
鈍感ッ!!」光一
「ほ…………
包丁は食材をさばくもので……」
ドス!!
……どさっ……
光一
「な、何故……
ぐふっ!!」鳴島
「本ッッッッ当に、
鈍感なんですからぁ!!」鳴島
「まあ、でも…………
無事に帰ってくるのが、
何よりのお土産ですからね……」
日記ランキングに投票しますぅ♪