3/2(水)
マスターのバカぁ!
鳴島
「にゅん♪
にゅんにゅ〜ん♪」光一
「……………………」鳴島
「にゅんにゅんにゅー♪」光一
「…………
なんだね、
その奇妙な歌らしきものは?」鳴島
「みゅ!?
失礼ですよぉ。
奇妙じゃないですぅ!!」光一
「ともあれ、
機嫌よさそうだが、
どうしたのかね?」鳴島
「ああ、ほらぁ♪
もう3月。
寒い季節もあとちょっとですぅ♪」光一
「ああ、そっか。
綾香君は寒いの苦手だったね」鳴島
「そうですよぉ♪
だから、
春が来るのが待ち遠しいですぅ」光一
「ああ、3月といえば……
この店の開店2周年記念だなあ」鳴島
「3月3日ですよねぇ♪」光一
「君がウチに勤めだしたのが……」鳴島
「2003年の8月3日ですよぉ」光一
「ふぅむ……
意外に長く
この店も続いたものだなあ」鳴島
「そ、そおですかぁ?」光一
「うむ。
まあ、しかし3月か……
てことは…………」鳴島
「ふみゅ?
何かありましたっけ?」光一
「うむ。
私は勉強のため、
3月半ばからドイツに滞在する。
その間、
店は閉めるしかないなあ」鳴島
「ふえっ!?」光一
「まあ、
一ヶ月近く店を休むので、
その間、
君も好きなことすると良いよ」鳴島
「ふぇ〜…………
私はおいてけぼりですかぁ?」光一
「仕方あるまい。
ドイツには勉強に行くのでね。
滞在も3週間ほどになるし……
君を連れて行くワケにはいかんな」鳴島
「ふみゅ〜ん……」光一
「まあ、4月上旬には再開するし、
3月もあと少しは店を開いているよ。
二周年記念もあるしねえ」鳴島
「まあ……
勉強では仕方ないですよねぇ。
日本でマスターの帰り待ってますぅ」光一
「お?
珍しく聞き分けが良いねえ?」鳴島
「マスターが帰ってきてくれるの、
わかってますしぃ♪」光一
「私が、
このまま君を解雇して、
店を閉じるとは思わないの?」鳴島
「信じてますもん♪
なんせ、
雨の中で濡れねずみになってた、
身元不明の私を、
店に入れてくれた方ですし♪」光一
「綾香君…………」鳴島
「……ま、マスター……」光一
「……………………」鳴島
「……………………」
カランコロン♪
お客様A
「マスター。
コーヒーお願いします」お客様B
「いつものよろしくね♪
マスター♪」光一
「かしこまりました。
今日は一層、
お二人とも美しいですねえ♪」お客様A
「そ、そんなぁ。
お世辞なんて言ってもダメですよ」お客様B
「そ、そうそう。
まったくもう♪」光一
「はははは、
それではお待ちください。
綾香君。
水とおしぼり…………」鳴島
「むにゅ〜!!」
ヒュン
バシュ!!
光一
「熱!!
おしぼり熱!!」お客様A
「うわ!!
ま、マスター大丈夫ですか?」お客様B
「うわぁ……
このおしぼり……すごい熱い……」光一
「綾香君!!
何を考えて、
顔面におしぼりなど投げ……」
ヒュン!!
じゅ〜……
光一
「ぐわぁぁぁぁ!!
熱ッ熱ッ!!」鳴島
「マスターの…………
大バカぁぁぁぁ!!」
カランコロン♪
お客様A
「あ……
綾香ちゃん出て行っちゃった……」お客様B
「あ〜らら……
〜♪」
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