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光一
「やあ、綾香君。
おはよう」 |
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鳴島
「はぁ……やれやれ」 |
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光一
「綾香君!
朝から一体なんだね?
その失礼極まりない態度は!」 |
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鳴島
「おぉ〜イヤですねぇ……
まったくこれだからマスターは……」 |
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光一
「私の問いかけに応えないかね!
人が挨拶しているのに……
まったく何て態度だね?
私はこれでも経営者。
君の雇用主だよ!」 |
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鳴島
「ちゃんと敬意を払ってもらいたいなら、
それなりの行動を、
マスターも取られてはいかがですかぁ?」 |
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光一
「だから、何の話かね!
全然見えてこないのだが……」 |
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鳴島
「やれやれですねぇ…………
マスターは御自分の身に覚えがないと?」 |
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光一
「さっきから何度も、
何の話か分からんと言ってるだろ!」 |
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鳴島
「やれやれ……仕方ないですねぇ……
それでは教えてあげますよう」 |
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光一
「何をだね?」 |
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鳴島
「マスター…………
まずは御自分の今日の日記を、
ご覧になられてはいかがですかぁ?」 |
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光一
「今更見なくても、
自分の日記の内容ぐらい覚えているわ」 |
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鳴島
「それで、お分かりにならないと?」 |
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光一
「普段どおりの、
私の彼女が出てくる日記ではないかね」 |
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鳴島
「うわ!?
あれでも気づかれないなんて……」 |
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光一
「だから、何をだね!」 |
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鳴島
「やれやれ…………
本当にしょうがないですねぇ……
ウチのマスターは……」 |
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光一
「こちらこそ、本当にしょうがないねえ……
と言いたい!!
ウチのウェウトレスは朝っぱらから
挨拶も返さずに、
雇用主を煙に巻いて…………」 |
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鳴島
「普通、自分の彼女さんにですよぉ、
『エッチな店のポップ』
なんて画像送りますかぁ?」 |
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光一
「面白いネタだったんだから、
送ったって良いじゃないか!」 |
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鳴島
「しかもその上、
しつこく下ネタで攻め続けて……」 |
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光一
「最初の画像メールは、
『エッチな事言う人は嫌い』
って返信が返ってきたが、
それは彼女の
エイプリルフールネタだったし……
ウケていたんだから良いじゃないか」 |
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鳴島
「でもぉ、
結果的に最後に送った
『そ!
勝負パンツならぬ
勝負シャンプー!!』
ってメール部分には
返信が来なかったですよねぇ?」 |
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光一
「う、それはそうだが……」 |
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鳴島
「下ネタを送りすぎて、
明らかに呆れられただけ……
と違うんですかぁ?」 |
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光一
「そ、そんなことは!!」 |
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鳴島
「でもぉ、実際に直接聞いてみたら、
『本当にエッチなんだから』
って呆れられていましたよねぇ?」 |
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光一
「むぅ…………それは……」 |
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鳴島
「普段からエッチなことばっかり
言ってるそうですねぇ?
呆れられないようにお気をつけて」 |
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光一
「いや、それは違う!!
これらの出来事は、
全て私と彼女の愛を確かめる……
そう、コミュニケーションの一種だ!
どこにも問題など…………」 |
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鳴島
「はぁ…………
それで本当に呆れられても知りませんよぉ。
本当にどうしようもないですねぇ……」 |
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光一
「うっ…………」 |
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鳴島
「ま、何事もほどほどに♪」 |
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光一
「……………………」 |