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鳴島
「ラララ、ラララ〜♪」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「フフフ、フフフ〜♪」 |
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光一
「…………ふぅ…………」 |
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鳴島
「ララランラ〜ン♪」 |
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光一
「おーい…………」 |
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鳴島
「ラララ…………
って、はい?
何ですか、マスター?」 |
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光一
「人がため息を付いている側で、
さっきから楽しそうだねえ?」 |
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鳴島
「だって、ゴールデンウィークですよ!
大型連休、5連休!!
っと、マスター」 |
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光一
「はぁ、何かね?」 |
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鳴島
「ため息つくと、
幸せが逃げるんだそうですよう♪」 |
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光一
「うっがぁぁぁぁ!!
人が疲れきっているところに、
君という娘は何とも配慮に欠け……」 |
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鳴島
「あんまり叫びすぎると…………」 |
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光一
「ゼハーゼハー…………」 |
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鳴島
「ほぉ〜ら……息がもたない。
もう年なんですからぁ……
疲れることは避けたほうが良いですよう」 |
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光一
「くっ…………」 |
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鳴島
「ともあれ、五連休なんですしぃ、
マスターもゆっくり休まれて、
その老体を養生されては?」 |
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光一
「年だの老体だの……
さっきから聞いていれば、
人を年寄り扱いしおって!」 |
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鳴島
「せっかくマスターの身体を気遣ってるのに、
ちゃんと身体休めないと、
今日のマスターの日記にあった
パソコンみたいに、いつの間にか
とんでもない事になってるかもですよう」 |
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光一
「あれはすごいパソコンだ……
なんせ11年前のパソコン……
最後にエラーチェックしたのが
2300日前…………
実に6年ちょっと前だからなあ」 |
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鳴島
「あらゆる意味でヤバイPCですねぇ……
本当にご老体パソコン……」 |
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光一
「でも現役だぞ?
まあ、調子も悪いから、
その内消えるかもしれないけど」 |
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鳴島
「まさに…………
老兵は死なず、ただ消え去るのみ……
…………ですねぇ」 |
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光一
「ちょっと違う気もするが……」 |
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鳴島
「マスターも
やれ『肩や首が痛い』だの
やれ『ダルくて疲れた』だの……
まさに老兵そのものなんですからぁ、
いつの間にかダウンして
消え去らないように♪」 |
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光一
「くぅぅぅぅぅ…………
だから人を年寄り扱いするな!
私は1980年生まれ!!
まだ25歳だぞ!!」 |
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鳴島
「よく年を取られた方ほど、
『人を年寄り扱いするな!』
って言われますよねぇ♪」 |
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光一
「現に私は年寄りではない!!
25歳だと言っているだろう!」 |
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鳴島
「年は25歳でも、
肉体年齢は50歳ですよねぇ?
だからこそ、
このGWで休まれたほうが……」 |
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光一
「私にはGWなんてないの!
そりゃあ、高校生は休日になるけど、
学校で先生やっていると、
休みなんてないの!」 |
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鳴島
「うぇ!?」 |
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光一
「まず、土日はバイトがあって、
3・4・5日は…………
それぞれ用事が入っている上に、
中間テストが近いから、
それの作成準備もあって……
GWは仕事を片付ける期間なんだ」 |
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鳴島
「うわぁぁぁ……それはお気の毒。
学校の先生も大変ですねぇ……」 |
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光一
「私は非常勤講師だから
まだマシだけど…………
正規の先生はそれこそ大変だろうね」 |
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鳴島
「生徒が問題起こしたり、
何か事故に巻き込まれたら、
即出動……ですもんねぇ……」 |
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光一
「はぁ……ゆっくり休みたい……」 |
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鳴島
「まあ、老体に鞭打って
頑張ってくださいねぇ」 |
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光一
「年寄りではない!!」 |
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鳴島
「じゃあ、
ガンバレ、若年寄り!!」 |
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光一
「だから年寄では!
…………ゼハーゼハー!!」 |
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鳴島
「ほらほら、またぁ…………
年寄りが急に叫びだすと、
息が切れるんですよう」 |
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光一
「くう…………ゼハー……
言いたい放題……ゼハー……」 |
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鳴島
「というわけでぇ、
私はGWに休みをもらって
遊んできますねー♪
若者らしく!!」 |
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光一
「く!!
若者ぶりおって!!
しかも、遊ぶだと!?
綾香君の、鬼!! アクマ!」 |