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鳴島
「マスター…………
これはどうにかした方がぁ……」 |
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光一
「分かっておる!!」 |
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鳴島
「分かっているなら、
早くしたほうが良いのではぁ?」 |
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光一
「したいのは山々だが……
週に3日程度しか帰宅していないし、
仕事が忙しくてそれどころじゃない!」 |
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鳴島
「でもぉ…………
お医者様に宣告されたんですよねぇ?
今日の日記みたところだと…………」 |
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光一
「くしゃみがヒドイので、
花粉症だと思って検査に行ったのだが……」 |
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鳴島
「まさかそれが…………
『ハウスダスト』『家ダニ』
が原因のアレルギーなんて……
部屋を汚くするにも、程があるのではぁ?」 |
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光一
「私だって汚くしたくて、そうしたわけではない!
以前はしょっちゅう掃除していた」 |
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鳴島
「でもぉ……今は汚いですよねぇ?
足の踏み場もないほどに、
本やプリントなどが散乱していますよねぇ?」 |
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光一
「仕方なかろう!
週に3日しか自宅にはいないし、
家にいる間も、
学校で教える教科の準備してるんだぞ?
掃除などする時間があったら、
その分の時間を仕事に回すわ!」 |
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鳴島
「でもぉ…………
それが原因で体調損ねてはぁ……」 |
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光一
「その代わり、
職場に通う際に泊めてもらってる
私の彼女の部屋は1日がかりで掃除したぞ」 |
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鳴島
「へぇ…………共同作業ですかぁ?」 |
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光一
「実に、8時間半もかけて掃除したよ。
今、すっごい綺麗な部屋になってる♪」 |
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鳴島
「彼女の部屋を掃除する時間はあるのに、
自分の部屋をする時間はないんですかぁ?」 |
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光一
「だ〜か〜ら〜!!
私は普段の仕事は
彼女の部屋から通ってるの。
だから、そっちが綺麗なら私の健康は、
勤務している間は問題ないわけで」 |
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鳴島
「でも、週末に帰ってきた自宅で
体調崩したら元も子も…………」 |
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光一
「むぅぅ…………それはそうだが……」 |
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鳴島
「それにぃ、いくら忙しくても、
2〜3月はそこそこに時間ありましたよねぇ?
だったら、掃除する日くらい作れたのでは?」 |
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光一
「ギクッ!?」 |
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鳴島
「まさか〜…………
『メンドーだから、後でやろうやろう』って思って、
ずっと先延ばしにしていたら、
結局掃除するヒマがないほどに、
忙しくなってしまったとかぁ?」 |
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光一
「ぅ……………………」 |
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鳴島
「はぁ……図星ですかぁ……
とにかく、
時間を見つけて掃除されることですねぇ」 |
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光一
「はいはい。分かっていますよ」 |
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鳴島
「社会人……しかも学校の先生が、
医者に『部屋を綺麗にしましょう』
なんて言われてしまうのは……
いくらなんでも格好悪いですよう」 |
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光一
「分かってる!
くどい!
何とかそのうちにするっての!」 |
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鳴島
「分かってるなら、
返事は短く『ハイ!』ですよう。
何度言ったらわかるんですかぁ!」 |
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光一
「ぐぅ…………痛いところを何度も……」 |
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鳴島
「返事は?」 |
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光一
「は、はい」 |
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鳴島
「声が小さい!!
もう一度!!」 |
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光一
「はい!!
……って、何で私がこんなことを、
毎回のように君に言われなくては……」 |
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鳴島
「学校の先生のクセに、
自分の私生活にだらしがないからですよう!」 |
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光一
「うむぅぅぅ…………
何でホントここまで言われなければ……」 |
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鳴島
「自分が悪いんですから、
口ごたえしない!!
この、ダメダメ教師!!」 |
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光一
「そ、そこまで言うか!?」 |
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鳴島
「見捨てられないだけ、
ありがたいと思ってくださいねぇ」 |