鳴島
「ふえー……
それはヒドイですねぇ……」光一
「年齢的には、
私と同じぐらいの日本人だったが……
海外であそこまでマナー悪いのは」鳴島
「日本人観光客って、
海外でマナー悪いって言いますけどねえ」光一
「あの２人は最悪だったな……
ホテルのレストランで大騒ぎするわ、
平気で朝食中のレストラン内撮影するわ」鳴島
「おまけに、
会話内容はオタクだしぃ……」光一
「さすがに私も、
日本人としてあの場にいるのが
恥ずかしかったよ」鳴島
「マスターは、
そういったマナー違反
しなかったんですよねぇ？」光一
「まあな。
それに、私一人だったから、
話する相手もいないし」鳴島
「まあ、
それもそうですねぇ……」光一
「なるべく現地の人に溶け込むよう
努力してたからねえ。
……道尋ねられたこともあるよ」鳴島
「え？
ドイツでマスターが？」光一
「うん。
トルコ系の人に、
『中央駅はどう行けばいいですか？』
って英語だったけど聞かれた」鳴島
「へぇ〜……
じゃあ、
現地の人と思われたんですかねぇ？」光一
「うーん……どうだろうねえ？
身軽な格好でうろついていたからね。
それで現地人と思われたかもしれないし」鳴島
「あー、
そういえばぁ、
財布以外はホテルに置いていった
と言ってましたねえ」光一
「軽装の方が疲れないからね。
他にも、駅構内で声かけられたり」鳴島
「ふえ？
それはどういう……」光一
「顔以外は布で隠していたから、
イスラム教の人だったと思うけど……
女性２人だったねえ」鳴島
「で？
何を聞かれたんですかぁ？」光一
「さっぱり分からなかった」鳴島
「ふえ！？」光一
「いや、
何語だかよくわからんかったの。
で、
『英語で言ってくれますか？』
って言ったら……」鳴島
「言ったら？」光一
「どうやら、
母国語とドイツ語しかできないらしく、
『すいません。別の人に聞きます』
みたいな事言って去っていった」鳴島
「色んな人がいるんですねぇ……」光一
「それがヨーロッパの良いところなんだろ。
ターバン巻いたおじさんと、
白人黒人が仲良く電車に座っていたり、
そういう光景いくらでも見たしね」鳴島
「なるほどぉ……
でも、私の場合は、
英語もできないので、
楽しみようがない気がしますが……」光一
「私だってそんなに話せないさ。
それでも楽しめたんだから、
問題ないんじゃないの？」鳴島
「まあ、
機会があれば行ってみたいですね♪」光一
「私も、
もっと英語とかできるようにしてから、
もう一度ぶらついてきたいねえ」鳴島
「ま、
どちらにせよ、
良い経験ができてよかったですね♪」光一
「うむ。
初めての海外一人旅だったが、
振り返れば良い思い出だったな」鳴島
「しかしまあ……
マナーには気をつけたいものですね」光一
「まったくだね。
あの日本人２人はひどかったから」鳴島
「特に注意するべきマナーとかは？」光一
「別に……
普通にしてれば良いんだよ」鳴島
「そんな適当な……」光一
「人が食事中のレストラン内で、
パシャパシャ撮影したり、
騒音クラスの大声で会話とか……
日本にいたって普通はしないだろ？」鳴島
「まあ、そりゃそうですねぇ。
周りの人の迷惑になりますもんね」光一
「周囲を気遣うことができれば、
それで基本的にOKだよ。
周囲に気遣いできれば、
自然に何をしたら迷惑か……
くらいは考えられるだろ？」鳴島
「そうですね♪」光一
「周囲が静かなのに……」
ムニュムニュ♪
鳴島
「キャアアァァァ！！」光一
「と、大声を出したり……」鳴島
「何ドサクサに、
私の胸モミモミしてるんですかぁ！！」
バキィィィ！！
光一
「こ、このように……
理由も無く
人を攻撃するなど……
マナーうんぬん以前に、
論外だな……グフッ！！」鳴島
「女性の胸を、
合意もなく揉むのも、
十分マナー違反ですぅ！！」鳴島
「結局、
私の胸が触りたいだけなんだから……
もう、エッチ！！」
