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光一
「今年は桜と梅が一緒に咲くって
珍しい年だねえ」 |
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鳴島
「サプライズってヤツですかねぇ?」 |
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清香
「サプライズとは違うような気もするけど、
まあ、珍しい事は間違いないね」 |
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光一
「大体、サプライズってヤツは何で難しい?」 |
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鳴島
「何の話ですかぁ?」 |
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光一
「人を驚かし、征服欲(?)を味わう醍醐味。
それを環境が許さない事の多いこと!」 |
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鳴島
「私も以前はよくマスターに驚かれましたがぁ」 |
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光一
「うん……それは私が求めるのとは
別のベクトルでだけどね」 |
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鳴島
「最近マスター、あんまり驚きませんよねぇ?」 |
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光一
「毎回のようにお店の備品を壊されていれば、
さすがに慣れてしまって、
もうお皿とか割られた位で驚かない」 |
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清香
「それもどうかと…………」 |
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鳴島
「で、何が環境のせいなんですかぁ?」 |
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光一
「そこだよ、ホント聞いてくれよ!!」 |
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清香
「?????」 |
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光一
「観光地に行くじゃない」 |
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鳴島
「はぁ…………?」 |
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光一
「そうするとさ、観光地ってさ看板あるでしょ?
どこそこまであと何キロとかさ」 |
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鳴島
「ああ、ありますよねぇ」 |
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光一
「何であんなもの設置するの?
イジワルなの?」 |
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鳴島
「…………は?」 |
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光一
「だって、あんな看板あったら
私の征服欲とか勝利はどこへ行くのよ?
ホント、訳分からないよね?」 |
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鳴島
「私にとっては、
マスターが訳分かりません」 |
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光一
「何故、ホワイ!?」 |
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清香
「前後の説明が全然無いからかと」 |
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光一
「あ、ああ。これはうっかり」 |
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鳴島
「で、何があったんですかぁ?」 |
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光一
「それがだね、嫁を驚かそうと思ったんだ」 |
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鳴島
「ふむふむ」 |
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光一
「驚かすことで私の勝利だ。
嫁のホエ面を見て、私は高らかに笑うんだ」 |
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鳴島
「はあ…………」 |
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光一
「そうしたら、看板が沢山あって……
あのフザケタ看板があったせいで!
そういうことだ!!」 |
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鳴島
「すいません。
何が『そういうことだ!』か、
さっぱり分かりません」 |
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光一
「何故!?」 |
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清香
「説明の詳細が全然伝わらないからかと」 |
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光一
「あー、簡単に言うとだね。
嫁が温泉行きたいと言ったんだ」 |
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鳴島
「ふむふむ」 |
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光一
「私は嫁に一言も知らせず、
密かに草津温泉の旅館を予約し、
当日何も知らせずに車に乗せたわけだ。
ただ一言『泊まり用意をしろ』と」 |
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清香
「その時点でどこか遠出して
泊まるんだくらいは伝わりますが」 |
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光一
「ま、まあそれでだ。
行き先は分からないはずだ。
最後まで気がつかれなければ、
私の完全勝利となり、嫁は驚きひれ伏せ、
私を崇め奉り、戦争が終わるんだ」 |
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鳴島
「何の戦争ですか…………
まあ、サプライズ旅行で驚かすのは……
それは単なるノロケ話ですかぁ?」 |
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光一
「違う! これは私の戦争なんだ!」 |
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鳴島
「はぁ……で、どうしたんですかぁ?」 |
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光一
「高速を降りて、そこからさらに1時間半あるのだが、
降りたらもう……『草津温泉』なんて看板が!
あんなのが道々に出てたら、
完全に行き先がバレてしまうだろ!」 |
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鳴島
「まぁ……そうでしょうねぇ」 |
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光一
「最後まで行き先を告げようとしない私に、
既に目的地に気が付いた嫁は、
微妙な表情で気が付かないフリをしていたぞ!
何で私が気遣われてるの!?
これでは私はルーザー(負け犬)ですよ!」 |
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鳴島
「何に負けてるんですかぁ……」 |
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清香
「それもこれも、
観光案内表示の看板があったから?」 |
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光一
「そう!
あんな看板、ホント何のために設置してるの?」 |
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鳴島
「いや……純粋に観光案内のためですよ」 |
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光一
「…………というわけで、
清香君にプレゼントが来ています」 |
『お菓子の妖精、清香君』
(清水ももこ様より)
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光一
「今日からTOPページイラストになっています。
ももこさん、ありがとうございました!」 |
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清香
「ありがとうございました!」 |
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鳴島
「というわけで……のくんだりが
なんか強引でしたけどぉ」 |