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鳴島
「うーん…………」 |
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光一
「……………………」 |
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鳴島
「うーん…………」 |
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光一
「朝っぱらから、
眉間にしわを寄せて
何をしているのかね?」 |
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鳴島
「あ、マスター。
おはようございますぅ!」 |
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光一
「うん。おはよう。
で、朝から何?」 |
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鳴島
「実はですねぇ」 |
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光一
「何? 何?
生理でも来た?」 |
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鳴島
「そういうのを
セ・ク・ハ・ラ!
って言いますよぉ」 |
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光一
「うむ。分かっている。
で、何?」 |
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鳴島
「分かっているって……
ま、いっかぁ。実はですね」 |
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光一
「うん」 |
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鳴島
「キャッチフレーズを
考えていたんですよぉ」 |
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光一
「何の?」 |
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鳴島
「このカフェの!」 |
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光一
「あー、ウチのキャッチフレーズね」 |
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鳴島
「どういうキャッチフレーズだと
お客さんたくさん来るかなあと……」 |
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光一
「ふむ。
確かにキャッチフレーズは大事だ。
お客が判断材料とする際に、
時期・状況・要求
これらに合致するフレーズを
やっぱり探すものだからな」 |
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鳴島
「昔、このサイトが『失変カフェ』になる前
あの頃は合致してませんでしたねぇ」 |
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光一
「あー、ここのサイト名で、
2003年3月〜2004年最初まではね……」 |
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鳴島
「サイト名はドイツ語だし……
飲食店紹介その他コンテンツも、
英語とかで分かりにくいものでしたねぇ」 |
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光一
「茨城県の飲食店紹介などは、
英語から日本語に変えたとたんに、
アクセスが倍増したからなあ」 |
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鳴島
「内容が一発で分かるような
キャッチフレーズは
集客の上で重要ですよねぇ」 |
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光一
「うむ。そうだな。
そういった点では、
先月見かけたフレーズは変だった」 |
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鳴島
「先月?
3月にですかぁ?」 |
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光一
「うむ。
彼女が引っ越す前で、半同棲の頃。
近くのスーパーでね」 |
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鳴島
「どういったキャッチフレーズを見たんですかぁ?」 |
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光一
「まあ、すごく時期ハズレな……
ちょっと見てくれたまえ」 |
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鳴島
「どれどれ?」 |
暑い時期にはやっぱりコレ!
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鳴島
「マスター!」 |
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光一
「何かね?」 |
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鳴島
「これ7月ですか?
それとも8月頃の画像ですかぁ?」 |
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光一
「間違いなく、先月。
3月16日に買い物に行った際のだ」 |
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鳴島
「だって…………
暑い時期にはやっぱりコレ!
って…………
3月って全然暑くないですよぉ!」 |
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光一
「その日の朝は1度くらいだったな」 |
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鳴島
「あー……なんとも時期ハズレな」 |
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光一
「まあ、あんまりにも時期ハズレだから、
きっと店側もワザと狙ったのかなと……」 |
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鳴島
「まあ、そうですよねぇ。
さすがに夏じゃないし……
あえてウケを狙ってみたんですかねぇ?」 |
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光一
「きっとこういう店側の意図かなあと……
彼女に言ってみたんだが……」 |
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鳴島
「どんなのですかぁ?」 |
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光一
「うん。
『寒い冬の夜は2人で
暑い夜の営みをする時期です』
って意味で
『営みのために力をつけよう!』
って意味合いで売り出したのかと……」 |
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鳴島
「何?
そんな風に彼女さんに言ったんですかぁ?
彼女さんはどう反応しました?」 |
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光一
「そうしたら、
『なんだかんだと理屈をつけて、
何でもエッチに持って行くんですね。
光一さんは真冬でも脳みそが
オーバーヒートしていますからね』
って………失礼だよね!」 |
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鳴島
「マスター」 |
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光一
「いや、私はきっと
キャッチフレーズは時期・社会状況に応じる。
だから、きっと少子高齢化社会に備えて……」 |
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鳴島
「ふーん…………」 |
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光一
「…………いや、ホントだよ?
変な意味合いではなく、
きっとこうやって男女間のだね」 |
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鳴島
「ほうほう」 |
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光一
「なんだよなんだよ。
君まで…………」 |
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鳴島
「本当は適当な事言って、
彼女とエッチしたかっただけでしょ?」 |
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光一
「…………はい、すいません。
彼女にも同じこと言われました……」 |
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鳴島
「やれやれ…………面倒くさいですねぇ。
男は本当に素直じゃない……」 |