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光一
「これって私が悪いのかね?」 |
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鳴島
「何がですかぁ?」 |
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光一
「例えばの話でさ…………
私が綾香君の着替えをのぞいたら、
どうなのかね? どうよ?」 |
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鳴島
「はあ!?」 |
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光一
「OK? NG? ドゥーユーアンダスタン?」 |
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鳴島
「何言ってるんですかぁ!!
そんなのNGに決まってますよぉ!」 |
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光一
「いや、というのも、以前にあった出来事なんだけど」 |
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清香
「マスター、何故私には聞きませんか?」 |
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光一
「え? 何を?」 |
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清香
「お姉ちゃんの着替えをのぞく場合を聞いて、
何故、妹の私には聞きませんか?」 |
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光一
「いや、それは目の保養になる胸の差が激しい……」 |
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清香
「……………………」 |
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光一
「いや、何でもありません」 |
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鳴島
「で、何でこんな意味の分からない事を、
突然に聞いてきましたか?」 |
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光一
「もう1年以上前になるんだけどね……
実家に戻るのに、夜、駐車場行ったのさ」 |
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鳴島
「はあ?」 |
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清香
「それがどうしたんですか?」 |
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光一
「そうしたら隣の車……同じアパートの住人で、
女性のものなんだけどさ、車内灯がついていたんだよ」 |
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鳴島
「はあ」 |
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光一
「なんとなく気になったので、
自分の車の中に入ってから…………
視線を隣の車内に移したのね」 |
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清香
「それが最初の話とどう絡むんですか?」 |
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光一
「いや、それが…………
車内で若い男女が…………
チュッチュチュッチュ!
かんなり激しく、キスし合っていた」 |
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鳴島
「はあ!?」 |
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清香
「なんとも大胆ですね」 |
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光一
「そんなわけで興味を覚えた私は、
しばらく凝視していたんだよ」 |
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鳴島
「えっ…………」 |
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光一
「見ている内にさ、
相手の女性に気が付かれてしまった……
というか目が合ってしまってね」 |
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清香
「あー、それは気まずいですね」 |
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光一
「私もそう思ったよ。向こうでも思ったんじゃない。
彼ら、車内灯消しちゃってさ」 |
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鳴島
「ふむふむ」 |
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光一
「そうしたらシートを倒して、
何やら色々複雑な動きを始めてさ、
彼らの車が揺れてるのね」 |
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清香
「それって…………」 |
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鳴島
「なんていうか…………」 |
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光一
「セッ●スしてたんじゃない?」 |
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鳴島
「ちょっと!
私達がためらった言葉を、
出さないでくださいよぉ!!
セクハラですよね、これ?」 |
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光一
「しょうがないじゃん。
事実なんだもん!」 |
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清香
「で、マスターはどうしたんですか?」 |
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光一
「どうしたも何も…………」 |
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鳴島
「車内灯消されちゃ見えませんよねぇ」 |
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光一
「いや、外灯と月明かりで明瞭に見えた。
せっかくなので最後の方まで、
じーっくり見物してから
車のエンジンかけて出かけた」 |
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鳴島
「はあ?」 |
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光一
「その後、隣の車の女性と鉢合わせすると、
なんとなく気まずい……というか、気まずい」 |
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清香
「それはそうでしょうね」 |
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光一
「これって私が悪いの?
野外でヤッてた彼らが悪くない?」 |
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鳴島
「いや、何をしているか分かった上で、
ずーっと見ていたマスターも悪いです」 |
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光一
「何故!?」 |
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鳴島
「何故も何も、マスターだって、
そういう時に見られたらイヤでしょうよぉ」 |
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光一
「私は屋外でなんてしないもん。
部屋かホテルでしかしないもん」 |
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鳴島
「そういう問題じゃなくってぇ」 |
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清香
「まあ、マスターも悪いけど…………
相手も悪いといえば悪いかな。
見つかった時点で止めるのが普通じゃ」 |
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光一
「そういうプレイだったのかな?
露出プレイ?」 |
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鳴島
「だったら気が付かれた時に、
車内灯消さないでしょうよぉ」 |
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光一
「ホント、気まずいから勘弁してほしいよね」 |
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清香
「それはどちらかと言うと、
見つめ続けたマスターにも責任あるかと」 |