鳴島
「ふむふむ…………」光一
「……………………」鳴島
「ほほぉー！！」光一
「……………………」鳴島
「なるほどぉー……」光一
「……………………」鳴島
「ふわぁぁぁぁ！？」光一
「あの、綾香君？」鳴島
「ふおっ！？
マスター、いつの間に後ろに！？」光一
「いつもなにも、ずっといたが……
さっきから何を、
一人漫才しているのかね？」鳴島
「いやぁ…………
それはそのぉ…………」光一
「ん？
ああっ！！」鳴島
「ふみゃぁぁぁっ！？
あ、返してですよぉ！！」光一
「何が返してだね！！
これ、私の日記帳だろうが！！」鳴島
「そりゃそうですけどぉ……」光一
「さっきからの態度…………
なるほど、私の日記を見て、
色々誤解した……というわけかね？」鳴島
「何をおっしゃられているやら？
さっぱりとんとん？」光一
「では、
何をさっきから驚いたりしているのかね？」鳴島
「ふう、分かりましたよぉ。
そうですぅ。マスターの日記見たんですぅ」光一
「で、さっきの変な一人漫才をしていたと？」鳴島
「だって日記の内容見たら、
マスターが御自分の彼女さんに、
『結婚詐欺師』呼ばわり
されているんですもん。
いやぁ、
マスターって極悪人と思いましてぇ」光一
「ちょぉーっと待てい！！
その誤解される表現はやめたまえ！
ここのお客全てが、
『マスター＝結婚詐欺師』と思ったら
どうするつもりかね！！」鳴島
「あれ？
違うんですかぁ？」光一
「当たり前だ！！
何で私が結婚詐欺などしなくては……」鳴島
「あ、そっかぁ♪
まだ結婚していないから、
結婚詐欺未遂あるいは計画段階
ってことなんですねぇ♪」光一
「ですねぇ♪ じゃない！！
全然違うわ！！」鳴島
「だってぇ、
彼女さんにぃ
散々そう言われているんですよねぇ？」光一
「完全な誤解だ！！」鳴島
「彼女さんの目の前でいっつも、
『胸の大きい女性の方が好き』
『ああ、あの女性を押し倒したい』
『あー、巨乳美人とＨしたいなあ』
なんて言ってるくせにですかぁ？」光一
「い、言うだけなんだから良いだろうが！
別に浮気もなにもしていないんだぞ！
欲望を言ってるだけなら、妄想に過ぎん！」鳴島
「それを自分の彼女の前で、
毎日のように言うのは、
それ自体犯罪的ですけどぉ？」光一
「ど、どこがだね！！
言うだけならばタダじゃないか！」鳴島
「毎日言われている方はぁ、
『いつ浮気されるか？』
って疑いますよぉ、普通」光一
「う、浮気などせんわい！！
私は非常に一途だぞ！！
結婚も真面目に考えてるんだぞ？」鳴島
「どうだかぁー？」光一
「な、何でそこで疑うかね！？
私は自分の欲望には忠実だから、
そりゃあ妄想はダダ漏れさせるけど、
しかし浮気などは絶対にしないぞ！
好きな人がいるのに、何でそんな事……」鳴島
「やれやれ…………
そんな態度だから、
『結婚詐欺師！』
とか言われるんですよぉ」光一
「彼女の事が一番に好きなんだから良いだろ。
後は自分の頭の中で妄想するくらい、
別に良いじゃないか！！
カップルの男の方が、
エロビデオとか本見ることもあるだろー！」鳴島
「その開き直りを、
どうにか直された方が良いですよぉ」光一
「ど、どこが開き直りかね！！
これは一般的な成人男性ならば……」鳴島
「もぉ…………
ご自分の非を認めない方ですねぇ……」光一
「いや、私の非も何も…………
そもそも私に非があるのか？
いや、そんなものはない！！
だって、詐欺だってのも彼女が思い込んで……」鳴島
「はいはい。そうですねぇー♪」光一
「うっがー！！
人の話をちゃんと聞けー！！」
